出版社を探す

世界史との対話 下

70時間の歴史批評

著:小川 幸司

紙版

目次

第48講 アルザスとドーデの「最後の授業」
   1.アルザスをめぐる興亡
   2.ドーデの「最後の授業」
   3.フィヒテのナショナリズム
   4.「最後の授業」は、フランスの対独復讐意識の産物か?
   5.ルナンのナショナリズム
   6.その後のアルザス

第49講 アメリカ民主主義の人種論
   1.「理念の共和国」にとっての戦争
   2.「ジャクソンの民主主義」
   3.南北戦争と奴隷解放
   4.インディアンの同化政策の行方
   5.「白人性」の確立
   6.「よい戦争」と「正戦論」観の成立

第50講 ゴッホの哀しみ
   1.伝道師を目指したゴッホ
   2.画家ゴッホの誕生
   3.アルルでの“いのち”の発見
   4.「糸杉」と「星月夜」

第51講 「アジアの連帯」を中東からとなえて
   1.解体していくオスマン帝国
   2.アフガーニーの思想形成
   3.イスラーム法学が直面した課題
   4.アフガーニーの「パン・イスラーム主義」と「東洋の連帯」

第52講 中国と日本の「開国」の行方
   1.「西洋の衝撃」のなかの洋務運動を見直す
   2.変法自強運動の失敗は“近代化の失敗”だったのか
   3.「西洋の衝撃」のなかの江戸幕府の非戦外交
   4.日本の経済力はどのくらい遅れていたのか
   5.世界史のなかの日本の「開国」

第53講 明治日本の北海道旧土人保護法と「小国主義」
   1.日本列島の“民族絶滅の危機”
   2.明治維新と北海道旧土人保護法
   3.「国民国家」の建設としての明治維新
   4.岩倉使節団、ロシアとオーストリアへ行く
   5.岩倉使節団のみた「小国」
   6.「小国主義」の水脈

第54講 日露戦争の光と陰
   1.台湾出兵と琉球処分2.朝鮮と明治日本
   3.日清戦争におけるジェノサイド
   4.世界史の中の日露戦争
   5.「アジアの連帯」とその挫折

第55講 浅川 巧 ―朝鮮の土になった日本人
   1.伊藤博文の韓国統治
   2.伊藤博文の暗殺
   3.韓国併合条約の“形式”と“過程”
   4.日本の植民地統治
   5.日本に流入した朝鮮人
   6.浅川巧の生涯

第56講 アラブからみた「アラビアのロレンス」
   1.「総力戦」としての第一次世界大戦
   2.青年トルコ革命と「トゥラン主義」
   3.「アラビアのロレンス」の登場
   4.ロレンスの実像を求めて

第57講 マルクスからレーニンへ、マルクスからマルクスへ
   1.マルクスとエンゲルス
   2.『コミュニスト宣言』のコミュニストとは
   3.『資本論』が提起する「物象化論」
   4.マルクス以後の社会主義運動
   5.マルクスからレーニンへ
   6.スターリン独裁
   7.マルクスからマルクスへ

第58講 パリ不戦条約の世界史的意味
   1.正戦論のなかの「祖国のために死ぬこと」
   2.近代ヨーロッパの無限定戦争論
   3.労働者の反戦平和運動
   4.集団安全保障の誕生
   5.戦間期の協調外交とパリ不戦条約の成立
   6.パリ不戦条約から日本国憲法へ
   7.“理念の肯定”と“行使の留保”という論理

第59講 オーウェルにとっての20世紀
   1.20世紀前半におけるイギリスの「帝国意識」
   2.オーウェルのビルマ体験―『絞首刑』と『象を撃つ』を読む
   3.世界恐慌からヒトラーの政権掌握へ
   4.オーウェルのスペイン体験―『カタロニア讃歌』を読む
   
第60講 ショアーへの道
   1.「ユダヤ人」とは何だったのか
   2.ヒトラーの政権掌握
   3.第二次世界大戦とショアーへの道
   4.なぜショアーを防げなかったのか
   5.悪は“陳腐”だったのか

第61講 ショアーをめぐる群像
   1.『アンネの日記』の誕生
   2.アンネが夢みたもの
   3.レスキュアーズとなった一人の日本人
   4.杉原ビザのその後
   5.フランクルの『夜と霧』

第62講 リリー・マルレーンをもう一度
   1.20世紀にうまれた反戦歌
   2.不思議な反戦歌
   3.「リリー・マルレーン」がなぜ兵士の心をとらえたのか
   4.ララ・アンデルセンの第二次世界大戦
   5.終戦のララ・アンデルセン
   6.もうひとつのリリー・マルレーン―マレーネ・ディートリッヒ

第63講 満洲事変をくいとめることはできなかったのか
   1.興隆する中国ナショナリズムと国民革命
   2.国民革命を日本はどう受け止めたか
   3.張作霖爆殺事件の事後処理と昭和天皇
   4.満洲事変への道
   5.拡大する国際社会との齟齬

第64講 南京事件の真相を求めて
   1.「一致抗日」の基盤の成立
   2.盧溝橋事件から日中戦争へ
   3.植民地喪失を“死活問題”とする帝国意識
   4.南京事件
   5.難民区の外国人たち
   6.南京事件論争を考える
   7.南京事件のその後

第65講 御前会議と青年兵士のアジア・太平洋戦争
   1.アジア・太平洋戦争への道
   2.御前会議は何を話し合ったのか
   3.開戦の最終決断の場面はいつだったか
   4.コタバルとパール・ハーバーからマリアナ諸島へ
   5.青年兵士たちのアジア・太平洋戦争
   6.“多面体”の戦争を多方向から見るために

第66講 終わらない戦争を見つめる
   1.「終戦記念日」とはいつのことか
   2.終わらない戦争
   3.“忘れられた島”となった沖縄
   4.在日コリアンの終わらない戦争
   5.「世界史」として“終わらない戦争”を見つめる

第67講 何が冷戦を終わらせたのか
   1.冷戦はいかに始まったのか
   2.朝鮮戦争が作りだした“冷戦イメージ”
   3.ベトナム戦争のなかの“いのち”
   4.冷戦を終わらせる
   
第68講 インドの「脱植民地化」の長い道のり
   1.イスラームとヒンドゥー教の“出会い”
   2.イスラームとヴァルナ・ジャーティ制度
   3.イギリスの植民地政策とヒンドゥー教・イスラーム
   4.イギリスの植民地支配の功罪
   5.ガンディーの“反近代”
   6.ガンディーの挫折
   7.「脱植民地化」の長い道のり

第69講 イラクとガザからの世界史
   1.イスラエルの建国と中東戦争
   2.パレスティナ人のパレスティナ
   3.湾岸戦争からオスロ合意へ
   4.グローバリズムがうみだすもの
   5.9・11からイラク戦争へ
   6.イラクとガザからの世界史

第70講 トリニティからチェルノブイリとフクシマへ
   1.トリニティとエノラ・ゲイ
   2.アトムズ・フォア・ピース
   3.チェルノブイリ原発事故の意味を考える
   4.「フクシマ」という時代に生きる

ISBN:9784885272103
出版社:地歴社
判型:A5
ページ数:480ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2012年09月
発売日:2012年09月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHB