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モーリス・ドニ イタリア絵画巡礼

芸術の主題をもとめて

著:モーリス・ドニ
監:小佐野重利
訳:福島 勲

紙版

内容紹介

フランス人画家ドニが旅した百年前のイタリア――。
昔日と変わらない歴史的遺構を残しながらも再開発の波が街を少しずつ変化させ、ファシズム運動が不穏な高まりをみせていた百年前のイタリア。フランス人画家ドニはシチリア、ローマ、シエナ、フィレンツェ、ヴェネツィア、パドヴァ各地をめぐり、その旅を記録する中で、みずからの生きる時代の美術のゆくえを見定めていった。

目次

刊行によせて  小佐野重利 5

シチリア島 一九二一年 19
ローマ 一九二一年 43
シエナとフィレンツエ 一九二一年 61
ヴェネツィアとパドヴァ 一九二二年 85
ローマ 一九二八~一九三一年 111
フィレンツェ 一九三一年 147
芸術の中に生きる聖フランチェスコの精神 181
宗教美術における主題の重要性について 《エマオの晩餐》をめぐる論争 215

訳者あとがき  福島勲 255

人名索引 I
事項索引 V
図版一覧 VIII

著者略歴

著:モーリス・ドニ
モーリス・ドニ (Maurice Denis)
1870年、フランスのグランヴィル生まれ。1888年結成のナビ派の中心画家。絵画、リトグラフを手掛けるとともに美術批評・理論家として活動し、特に1890年のマニフェスト、「絵画は、女性の裸体とか、戦場の馬とか、何かの逸話とかである前に、何よりも、ある秩序のもとに組み合わせられた色彩が塗られた平面である」という言葉で有名。近年の研究では20世紀の宗教(キリスト教)美術の展開における新伝統主義の美学の唱導者としての役割が注目されている。パリの芸術、演劇および音楽生活の中心で長年活躍。イタリアには生涯に14回旅した。1943年、パリのサン・ミシェル大通りでの交通事故で没。
監:小佐野重利
小佐野 重利(おさの・しげとし)
東京大学名誉教授。1951年生。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。同大大学院人文社会系研究科教授、文学部長などを歴任。イタリア連帯の星騎士・騎士勲位章(2003)、イタリア星騎士・コメンダトーレ勲位章(2009)を受章。アンブロジアーナ・アカデミー(ミラノ)会員、日本学術会議連携会員(前会員)。近著に『《伊東マンショの肖像》の謎に迫る―1585年のヴェネツィア』(三元社、2017)、Originali e copie. Fortuna delle repliche fra Cinque e Seicento, a cura di S. Osano (Firenze, 2017)、編著・浦一章監訳『オリジナルとコピー 16世紀および17世紀における複製画の変遷』(三元社、2019)、『絵画は眼でなく脳で見る―神経科学による実験美術史』(みすず書房、2022)など。
訳:福島 勲
福島 勲(ふくしま・いさお)
早稲田大学人間科学学術院教授。1970年生。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。同大学院助教、北九州市立大学准教授を経て現職。専門はフランス文学・思想、表象文化論、文化資源学。著書に『バタイユと文学空間』(水声社、2011)。共編著に『フランス文化読本』(丸善出版、2014)、『洞窟の経験 ラスコー壁画とイメージの起源をめぐって』(水声社、2020)。共著に『トラウマと喪を語る文学』(朝日出版社、2014)、『無名な書き手のエクリチュール』(同、2015)、『文化資源学 文化の見つけかたと育てかた』(新曜社、2021)。訳書に『ミヒャエル・ハネケの映画術』(水声社、2015)、『ディアローグ デュラス/ゴダール全対話』(読書人、2018)、『映画をめぐるディアローグ ゴダール/オフュルス全対話』(同、2022)、共訳書にTakiguchi Shuzo, Dali (Tokyo-1939)(Éditions Notari, 2011)、『ジョルジュ・バタイユの反建築』(水声社、2015)、『バタイユ書簡集』(同、2022)など。

ISBN:9784883035526
出版社:三元社
判型:4-6
ページ数:276ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2023年07月
発売日:2023年07月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AGA