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帝国スペイン 交通する美術

編著:岡田裕成

紙版

内容紹介

イベリア半島の中世の記憶と、ヨーロッパ各地の版図を包摂しつつ、新大陸アメリカ、アジア太平洋にも広がった、ハプスブルク・スペインの世界帝国。かつては遭遇することのなかった人、モノ、情報の往来する回路が開かれ、美術作品も、歴史と地理の座標上を縦横に行き交うことになった。
多様な文化の相互作用を深く刻み込んだ「交通する美術」を視座に、国内外9人の研究者が示す最新知見。

目次

序  岡田 裕成  7

Ⅰ 中世との接続
大モスクから大聖堂へ――中世イベリア半島キリスト教都市におけるイスラム建築遺産とその変容  26
伊藤 喜彦

中世アンダルス美術の遺産――その存在と不在を読み解く  65
マリア・J・フェリシアノ

「キリストの戦士」としてのサンティアゴ・マタモロスと拡大するイスパニア世界  95
久米 順子

Ⅱ ハプスブルク・スペインとヨーロッパ
帝国スペインにおけるタピスリー――ネーデルラント総督マリアの仲介と「ブランド」の形成をめぐって  136
今井 澄子

ポンペオ・レオーニとスペイン――エル・エスコリアル修道院聖堂主祭壇衝立の《磔刑》群像をめぐって  169
松原 典子

エル・グレコ、裸体表現の再検討――クレタからスペインへ  204
パク・ジョンホ

Ⅲ 世界帝国の美術
マドリード王宮のインカ王像――イメージのグローバルな交通と世界帝国の表象  234
岡田 裕成

新大陸アメリカにもたらされたアジアの「屏風/ビオンボ」――その流通と影響  267
アルベルト・バエナ・サパテロ

大海洋を渡った日本の蒔絵螺鈿――マニラ、メキシコ、スペイン  292
川村 やよい

あとがき  323

英文目次  I
人名索引  III

著者略歴

編著:岡田裕成
大阪大学教授。『ラテンアメリカ 越境する美術』(筑摩書房、2014年)、Painting in Latin America 1550-1820(共著、Yale University Press, 2014)。「《レパント戦闘図屏風》――主題同定と制作環境の再検討」(『香雪美術館研究紀要』2号、2019年)により第32回國華賞。スペインと植民地時代アンデス、メキシコの美術、アジア太平洋における美術の交通について研究。

ISBN:9784883035502
出版社:三元社
判型:A5
ページ数:336ページ
定価:4000円(本体)
発行年月日:2022年06月
発売日:2022年07月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AGA