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ひまわりの孤独

著:酒井 映子

紙版

内容紹介

ただのおおらかさではない。彼女は、失敗者たちをもじっと見つめる。克服してきた自分自身の姿がそこにあるからだ。小さな歌を書く人々は、もちろん弱者たちを描いて優れた歌を紡ぐが、大きさというものはそれをも含むことができるのだ。

 特攻の少年兵に           かくれんぼの
 泣く                仲間は
 彼が生命を奪ったであろう      必ず探しだそう
 艦上の兵士に            忘れられた子は
 泣く                何時までも鬼を待つ

 そこが出発点だからであろう。だからこそ、立ち上がる歌があり、不屈な歌があり、明るさゆえの孤独があり、かちえた自由のなかでの戸惑いがある。精神と心の複雑と単純のすべてが表現されて、歌集という総合体となっている。大きな完成である。しかし、その単純と複雑の極をさらに透過して、創作活動は続くと思う。(草壁焔太氏跋文より)

華やかでぐいっと夏空に立つひまわりは、作者の象徴のよう。
ひまわりがゆえの孤独。そこまでの道のりを自分の足で歩き、自分の頭で考え、自分の心で決めてきたのだと感じる。

著者略歴

著:酒井 映子
1940年  10月 東京に生まる
1946年  5月に母、10月に父病没
1959年  都立駒場高校卒業
現在: 五行歌の会同人
    東京本郷歌会(代表:柳瀬丈子氏)事務方を担当
    東京都在住

ISBN:9784882081197
出版社:市井社
判型:4-6
ページ数:230ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2012年10月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ