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ロシア民衆反乱史

著:ポール・アヴリッチ
訳:白石 治朗

紙版

内容紹介

ロシアの反乱史は、従来、ロシア革命の前史として扱われ、農民戦争や階級闘争という観点から書かれることが多かったが、著者は広い視野から、18世紀までの反乱は、西ヨーロッパ文明の影響をうけた支配者階級にたいして、「父なるツァーリ」を信じ、ロシアの古きよき伝統と慣習、宗教を守り、理不尽にも強奪された土地と自由をとり戻そうとする民衆が蜂起したものであり、両者の深い溝は、ソ連時代にも引き継がれたとの視点から、4つの反乱──ボロトニコフの反乱、ラージンの反乱、ブラーヴィンの反乱、プガチョーフの反乱──を詳述。ロシア史の伏流でもある民衆反乱の姿──コサックの反乱、都市の暴動、農民の一揆、反植民地運動、宗教的軋轢、地域紛争、政治的陰謀などの要素がからむ複雑な様相を巧みにまとめた好著。訳者解説「ユーラシアとロシア国家」で背景を補足。

著者略歴

著:ポール・アヴリッチ
ポール・アヴリッチは、ニューヨーク市立大学などの歴史学の教授。アナキズムや反乱史の研究家。
邦訳 『ロシア・アナキズム全史』(野田茂徳訳、合同出版、1971年)、『クロンシュタット、1921年』(菅原崇光訳、現代思潮社、1977年)
最近の著書『サッコとヴァンゼッティ、アナキストの背景』(1991年)、『アナキストの声、アメリカにおけるアナキズム口承史』(1995年)。
訳:白石 治朗
白石治朗
1936年 大阪府生まれ。
早稲田大学文学部露文科卒業,同大学院文学研究科博士課程(西洋史専攻)修了。
専攻 ロシア史
現在 中央大学,工学院大学講師
著書 『ロシアの神々と民間信仰──ロシア宗教社会史序説』(彩流社)
   『概説西洋社会史』(分担執筆,有斐閣)
訳書 O・クレマン『東方正教会』(共訳,白水社)
   S・M・バロン『プレハーノフ』(共訳,恒文社)
   A・ヴォイス『モスクワとロシア文化の源流』(恒文社)
   I・S・ベーリュスチン『十九世紀ロシア農村司祭の生活(中央大学出版部)

ISBN:9784882027829
出版社:彩流社
判型:A5
ページ数:371ページ
定価:4000円(本体)
発行年月日:2002年12月
発売日:2002年12月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1DTA