“憎しみをもって過去を振り返るんじゃないのさ!” 自らのルーツを求めて、奴隷であった祖先の歴史を探り、プランテーションノースキャロライナ州“サマセット”の生活とゆかりの人々の絆を現在に蘇らせる旅! 「向こう岸に渡してくれる橋を讃えよ」という、私たち黒人が古くから言い習わしてきた言葉がある。アレックス・ヘイリーの『ルーツ』に啓発されて自分のルーツを探しはじめてから11年、それが1986年にサマセットプレイスへの里帰りという催しとなって実を結ぶまで、私は実に多くの川を渡らせてもらった。──と著者が「謝辞」で述べているように、ルーツ探しの旅は思いもかけぬ長旅となる。読者は、著者が現在から過去へ、そして再び現在へと辿った、自分探しのノンフィクションの世界に思わず引き込まれることだろう。歴史の魅力、人と人の絆の豊かさ、癒し、生きる力がそこに漂う。