維摩経ファンタジー
大乗仏教の思想に学ぶ
著:西村 惠信
紙版
内容紹介
これはオモシロイ!
摩訶不思議な小部屋(丈室)で維摩居士が説く、ブッダの教えを根本にした大乗仏教のボサツ道。
ブッダから見舞いの指示をうけた多くの弟子や菩薩たちが、病に伏した維摩居士のところへ行くのを頑なに断わるその理由とは……。
在家の居士である維摩は、出家の仏弟子や菩薩たちに大乗仏教の核心を説いて、次々と論破していくそのさまはまことに痛快で、ほかの仏教経典の様子とはまったく異なる。それは不思議かつ神通自在であり、決定的に実相を説いているのであった。そして読者は、あまりにもファンタジックなこの物語の中で、自分自身も維摩を中心とする菩薩たちの集まりのなかにいるような気になってしまうのだ。
目次
大乗仏教と『維摩経』/汚れたこの世界こそ仏の世界――仏国品第一/理想世界のつくりかた――方便品第二/仏弟子たちの告白――弟子品第三/菩薩たちの告白――菩薩品第四/文殊菩薩の病気見舞い――文殊師利問疾品第五/思いがけぬできごと――不思議品第六/天女の説法――観衆生品第七/非道を行じる――仏道品第八/対立を超える世界――入不二法門品第九/香りの世界――香積仏品第十/菩薩の生きる道――菩薩行品第十一/維摩居士の前世――見阿閦仏品第十二/ブッダの遺言――法供養品第十三そして嘱累品第十四