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江戸人の教養

生きた、見た、書いた。

著:塩村 耕

紙版

内容紹介

江戸時代の人々の暮らしを西鶴や珍本・奇本・稀覯本から読み解く

古書ミュージアムとして有名な三河・岩瀬文庫収蔵の8 万1 千冊と著者収集の稀覯本などの古典籍から約150 点を選り抜き。江戸時代に生きた人々の考え方、娯楽、健康、生活、風俗を紹介。貴重かつ数々の珍奇な資料に秘められた江戸人の人生模様とは。

目次

古書大国、日本

1章 義と理あらばこそ
名を好む心は学問の大義なり/正しい忖度/苦労も精神を荒らさない/中根東里の足跡を辿る/逆境、楽しむべし/倦むことなかれ/徳本上人の教え/網元の一代記/家族の手紙/芝翫贔屓

2章 奇談・笑話
恥をかく話/秀逸な怪談/さらに秀逸な怪談/寿命貝の伝説/旅僧の語り/ロクロ首の見世物/古い笑話の味/異世界に住む子ども観/『徒然草』と江戸笑話/屁文学の最高峰

3章 士道覚悟
幼な子を思いやる父の心/簡素極めた吸い物料理/新井白石の冗談/首斬り役の家/指手水/扇の作法、贔屓の情/知恵は肉体のどこに宿るのか/主殺しと縁坐/塵は山にならない

4章 西鶴の視線
見苦しきほどねんごろ/生類憐れみの令と文学/旅嫌い? 西鶴/人間と見栄/立腹考/心中立て/美少女による主殺し/枕並べた男に生き写し/色の道は永遠/芭蕉の奇短冊

5章 健養・保寿
江戸の金山寺味噌/本当の茶漬け/水雑炊/復元してみたい料理、したくない料理/名医の養生訓/塩水を鼻から飲めば……/著者が将軍上覧になった喜び/貝原益軒の農書/老人も二食で三合

6章 記録の愉楽
木曽山中の作業絵図/京都の地誌を網羅/安政地震の体験記/お相撲論/銭湯業界の広報本/江戸時代の職業別電話帳/カカシの原形/町内の雑用役の記録/金を隠しに墓に通うスリ

終章 岩瀬文庫のあとさき
江戸初期の黒船/人は走らなかった!/「女よけ」伝授の刷り物/蔵版書の意義/明治の遊戯解説書/少年事件への配慮/書物の敵/俗語の妙味/岩瀬弥助と古書店

あとがき(古書世界の旅) 書名索引・人名索引

著者略歴

著:塩村 耕
名古屋大学大学院人文学研究科教授(日本文学)。1957年兵庫県生まれ。東京大学文学部国文学専修過程卒。専門は井原西鶴を中心とした近世前期文学、書物文化史など。2000年より岩瀬文庫の書誌データベース作りに没頭、2010年11月より「古典籍書誌データベース」のインターネット公開を開始。編著書に『三河に岩瀬文庫あり:図書館の原点を考える』など。

ISBN:9784880654843
出版社:水曜社
判型:A5
ページ数:232ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2020年07月
発売日:2020年07月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:GLK