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危険! 建設残土

土砂条例と法規制を求めて

著:畑 明郎

紙版

内容紹介

2021年7月、熱海土石流事故は建設残土問題をクローズアップした。同じように全国には、持ち込まれ、積み上げられる危険な建設残土が存在する。熱海市をはじめ、京都、滋賀、大阪、奈良、愛知、三重の現状を精査して、その危険性を報告する。そして、この残土を生み出す、北海道・北陸新幹線延伸工事、リニア中央新幹線工事の問題点を明らかにする。こうした現実に対する、土砂条例と実効性のある法規制の必要性を説く。

目次

第1章●京都府城陽市・京都市―山砂利採取地への建設残土の埋め戻し
1 京都府城陽市の残土問題/2 京都市の残土問題
第2章●滋賀県大津市―集中する建設残土捨場
1 香川県豊島汚染土壌の大津市搬入問題/2 大津市北部の残土・産廃処分場問題/3 大津市南部の残土問題
第3章●大阪府・奈良県・愛知県―崩落する建設残土
1 大阪府の残土問題/2 奈良県の残土問題/3 愛知県の残土問題
第4章●三重県紀北町・尾鷲市―首都圏・近畿圏から運ばれる建設残土
1 三重県紀北町の汚染土壌処理施設建設問題/2 三重県紀北町と尾鷲市の残土問題/3 尾鷲市投棄残土中の33元素EF(汚染係数)平均値/4 紀北町・尾鷲市・三重県の土砂条例制定
第5章●静岡県熱海市―大規模な土石流事故
1 熱海土石流の原因/2 盛り土を巡る経緯/3 残土規制の必要性/4 残土投棄業者らの責任追及
第6章●北海道新幹線延伸と北陸新幹線延伸工事―大量で有害な建設残土
1 北海道新幹線延伸工事の残土問題/2 北陸新幹線延伸工事の残土問題
第7章●リニア中央新幹線工事―大量の建設残土と捨場不足
1 リニアモーターカーの危険性/2 リニア中央新幹線の大深度地下方式の問題点/3 山岳部トンネルと地上部の問題点/まとめ―リニア中央新幹線の採算性―
第8章●全国の残土問題―あふれる建設残土
1 建設残土とは/2 建設残土問題はいま
第9章●土砂条例の制定状況と法制化
1 自治体の土砂条例制定状況/2 全国の土砂条例の制定内容/ 3 法制化
参考・引用文献

著者略歴

著:畑 明郎
滋賀環境問題研究所所長、日本環境学会元会長、元大阪市立大学教授。1946年兵庫県加古川市生まれ。1976年京都大学大学院工学研究科金属系学科・博士課程修了。2007年第18回久保医療文化賞を受賞、2022年イタイイタイ病裁判勝訴50周年式典で表彰を受ける。

ISBN:9784880377407
出版社:自治体研究社
判型:A5
ページ数:148ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2022年05月
発売日:2022年06月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TN