プロローグ
Ⅰ部 介護保険施行 20 年 ― その変容と課題
第1章 介護保険の根源的な矛盾と将来像に対する視点
はじめに
1 介護保険の構造的矛盾の正体
2 介護保険は社会福祉市場化の起爆剤
3 全世代型社会保障検討会議が描く財界主導の介護保険改革
4 混合介護、介護給付費割引の拡大の可能性
―― 株式会社による実質的な「特養経営」
5 「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を
改正する法律(2020 年 6 月 5 日可決・成立)」の方向性
おわりに
―― 介護労働者の専門性重視と人権視点からの介護保障改善私案
第2章 高齢者の生活実態と介護保険
1 高齢者の生活保障と介護問題の位置
2 高齢者の生活実態 ―― 貧困と孤立
3 介護保険制度の政策理念と現実
4 生活問題への総合的対応と福祉制度の再構築
第3章 介護保険の誕生からたどる現在の課題
はじめに
―― 検証課題は 5 点
1 2000 年、介護保険制度の創設と 5 つの課題
2 第 1 課題=介護保険で必要なサービスは受給できているのか
3 第 2 課題=家族の介護負担は軽減されたか
4 第 3 課題=ケアマネジメントは機能しているか
5 第 4 課題=介護サービス提供事業所の経営と介護職の充足の検証
6 第 5 課題=保険者である市町村の役割と介護保険の財源
7 介護保険の今後の課題
第4章 介護人材政策の総括と課題
はじめに
1 小泉「構造改革」と介護人材不足の作出・助長
―― 2000~2009 年頃
2 介護労働者処遇改善への表面的な動きと「自助」「互助」への回帰
―― 2009~2012 年頃
3 第 2 次安倍政権以降の介護人材をめぐる動向
―― 2012 年以降
4 介護保険 20 年の人材政策の総括と近年の動向
おわりに
第5章 自治体はどう変えられようとしているのか
はじめに
1 介護保険制度と市町村
2 介護保険 20 年と市町村の経過と実態
3 「保険者機能強化」の狙いと問題点
おわりに
―― 地域の介護保障要求、生活支援要求運動と市町村変革への課題
Ⅱ部 海外の介護保険に学ぶ
第6章 ドイツの介護保険改革
はじめに
1 介護保険の概要
2 ドイツの介護保険の特徴
3 介護保険の現状
4 制度改革の展開
5 近年の改革動向
―― 介護人材不足への対応と介護職・家族介護者の負担軽減
おわりに
第7章 韓国の介護保険改革
はじめに
1 長期療養保険の導入
2 長期療養保険の変遷
3 長期療養保険の仕組み
4 今後の課題
Ⅲ部 当事者とケアワーカーからの報告
第8章 「認知症の人と家族の会」と介護保険
1 「介護の社会化」「認知症になっても安心して
暮らせる社会」をめざして
2 介護保険の導入をめぐって
3 2 つの相いれない政策の流れと「家族の会」の提言
4 利用者・家族に重くのしかかる負担
―― 制度改悪による深刻な影響
5 コロナ禍のなかの介護保険制度
おわりに
第9章 在宅で働くホームヘルパーにみる介護保険の矛盾
―「生きる」のも「逝く」のも自分らしく ―
はじめに
1 「在宅」重視といっても(騙されやすい私たち)
2 生活とプランのずれ
3 国賠裁判で現場の状況をアピール
4 公務員への道
おわりに
―― 貧困の放置に歯止めをかける社会に
エピローグ 芝田英昭