クリスティナ・ロセッティの詩学とその周辺
著:滝口 智子
紙版
内容紹介
19世紀英国ヴィクトリア朝の詩人クリスティナ・ロセッティ。平易な言葉遣いながら様々な技法が凝らされた彼女の詩には、読者を魅了する重層的な意味が潜んでいる。先駆者としての後期ロマン派詩人レティシア・ランドンや、ロマンティック・バレエとその原作小説についても考察しつつ、「象徴」「贈与」「異世界」というテーマを軸にロセッティの詩世界の多面性を探る。
目次
はじめに 本書の構成
第一部 象徴の詩学 クリスティナ・ロセッティ
1.「夢の国」と魂の眠り──前千年王国論と類比
2.予表論の「モンナ・インノミナータ」──ソネットのソネット
3.間接的に伝える──象徴と保留
4.「眠りの森」と「王子の旅」──ふたつの時と多重の声
第二部 死の贈与と再生─レティシア・ランドン(L.E.L.)とロセッティ
5.交換と死─ランドンのロマンス、「金いろの菫」
6.アフリカで死ぬということ──ランドンと死/詩の贈与
7.「ゴブリン・マーケット(小鬼の市)」の金と銀──コボルド、ランドン、ロセッティにおける贈与交換の系譜
第三部(番外編) 異世界/妖精の国へ──ウォルター・スコットとロマンティック・バレエ
8.スコット作『ラマムアの花嫁』──泉の妖精のロマンス
9.『ラ・シルフィード』と妖精譚『トリルビー』──境界に住むものたち
補遺 オックスフォード運動の宗教的象徴の詩学──類比と保留の概念
ISBN:9784879844408
。出版社:松籟社
。判型:4-6
。ページ数:232ページ
。定価:2000円(本体)
。発行年月日:2023年09月
。発売日:2023年10月06日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DS。