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旅する日本語

方法としての外地巡礼

編著:中川 成美
編著:西 成彦
他著:アンドレ・ヘイグ

紙版

内容紹介

朝鮮、台湾、沖縄、ブラジル――日本語が足跡を刻んだ「外地」。そこで生きた人々ひとりひとりの感情と記憶を、文学を通して喚起し、再現する試み。

目次

【対談】旅する日本語」の射程と可能性(中川成美×西成彦)

【日本と朝鮮】
帝国日本の監視・識別文化─「不逞鮮人」恐怖症─(アンドレ・ヘイグ/追田好章訳)
植民地体験と翻訳の政治学─『朝鮮詩集』に収録された鄭芝溶の作品を中心に(金東僖)
植民者二世と朝鮮─森崎和江の詩におけるダイアローグ、そして共振について(杉浦清文)

【日本と台湾、そして沖縄】
植民地台湾の内地人による石川啄木受容(劉怡臻)
一九三〇年代におけるアイルランド文学の越境と台湾新文学(呉佩珍)
〈聞き受け〉つつも〈再生〉できない声─目取真俊「マーの見た空」論(栗山雄佑)

【ボーダーレスの時代】
在日台湾人作家温又柔『空港時光』研究─「内なる外地」と自他表象の連動(謝惠貞)
戦争と「同志」叙事─大島渚『戦場のメリークリスマス』から明毓屛『再見、東京』へ(三須祐介)
コリアン・アメリカン文学と日本語の場所(西成彦)

著者略歴

編著:中川 成美
立教大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。立命館大学文学部名誉教授。
専攻は日本近現代文学、比較文学。特に、日本近現代文学におけるモダニティーの問題をジェンダーや国民国家などの多面的な領域から考察している。
主な業績に『戦争をよむ―70冊の小説案内』(岩波新書、二〇一七年)、『モダニティの想像力―文学と視覚性』(新曜社、二〇〇九年)、『語りかける記憶―文学とジェンダー・スタディーズ』(小沢書店、一九九九年)、「フェミニズムの桎梏 : 家父長制と性暴力」(『日本文学』第六九号)、「トラベル・ライティングという機構:文学とツーリズム」(『昭和文学研究』第七五号)などがある。
編著:西 成彦
東京大学大学院人文科学研究科比較文学比較文化博士課程中退。立命館大学先端総合学術研究科名誉教授。
専攻は比較文学。ポーランド文学、イディッシュ文学、日本植民地時代のマイノリティ文学、戦後の在日文学、日系移民の文学など、人々の「移動」に伴って生み出された文学を幅広く考察している。
主な業績に『声の文学―出来事から人間の言葉へ』(新曜社、二〇二一年)、『外地巡礼―「越境的」日本語文学論』(みすず書房、二〇一八年)、『バイリンガルな夢と憂鬱』(人文書院、二〇一四年)、『ターミナルライフ 終末期の風景』(作品社、二〇一一年)『世界文学のなかの『舞姫』』(みすず書房、二〇〇九)年、『エクストラテリトリアル 移動文学論Ⅱ』(作品社、二〇〇八年)などがある。
他著:アンドレ・ヘイグ
二〇〇九年~一一年、国際交流基金フェローとして立命館大学で客員研究員。カリフォルニア州スタンフォード大学東アジア言語文化科において博士号取得。現在、ハワイ大学マノア校東アジア言語文学部准教授。
専攻は近代文学・文化史から見た大日本帝国。特に植民地朝鮮と「不逞鮮人」を書いた作家・文化人について研究。
主な業績に「中西伊之助と大正期日本の「不逞鮮人」へのまなざし―大衆ディスクールとコロニアル言説の転覆」(『立命館言語文化研究』第二二巻第三号)、「植民地朝鮮の国境および国境警備文化」(三上聡太編『「外地」日本語文学研究論集』、「外地」日本語文学研究会、二〇一九年)、「「どうして、まあ殺されたんでしょう」夏目漱石、帝国、そして(反)植民地的暴力の「公然たる秘密」」(安倍オースタッド玲子ほか編『漱石の居場所―日本文学と世界文学の交差』所収、岩波書店、二〇一九年)「Colonizing Genres on the Imperial “Gaichi” (Outer Lands) : Taxonomic Anxieties, Mysterious Media Ecologie…

ISBN:9784879844231
出版社:松籟社
判型:4-6
ページ数:352ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2022年03月
発売日:2022年03月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ