1.あるべき校則とは
[解説]校則で髪型の自由を制限することの問題点
1 「校則」の定義等
2 幸福追求権の内容
3 髪型の自由に関する裁判例
(1) 東京地方裁判所昭和38(1963)年7月29日判決
(2) 熊本地方裁判所昭和60(1985)年11月13日判決
(3) 東京地方裁判所平成3(1991)年6月21日判決
4 髪型の自由の制限が許されるかどうかの判断枠組み
(1) 髪型の自由が人権と認められる場合
(2) 髪型の自由が人権と認められない場合
(3) 裁判例における判断枠組み
5 民主的手続
2.民主的な結論の出し方
[解説]民主主義
1 民主的な決め方
2 理想は全会一致
3 本事例について
4 まとめ
3.「いじめ」はあったかなかったか
[解説]いじめ防止のための方策
1 「いじめ」はいけないこと
2 いじめ問題に対応する視点 1――判断基準
(1) 学校における「いじめ」の定義
(2) 法の一般的な考え方
(3) 「いじめ」の位置づけと学校の心構え
3 いじめ問題に対応する視点 2――行動手順
(1) すべては事実認定から
(2) 事実認定の仕方[step 1]――多くの情報収集
(3) 事実認定の仕方[step 2]――中立公正な判断
(4) 手続の重要性
(5) 事実認定と「いじめ」の評価の関係
4 いじめ防止対策推進法の定め
(1) いじめの通報等があった場合の対応
(2) いじめが確認された場合の対応策
(3) 重大事態
5 本事例について
(1) 担任の言動
(2) 校長の言動
(3) 教育委員会の対応
4.宗教行事と多文化共生
[解説]信教の自由と政教分離
1 日本国憲法における信教の自由・政教分離と教育基本法15条
(1) 信教の自由
(2) 政教分離の原則と教育基本法
2 本事例について
(1) 信教の自由との関係
(2) 政教分離原則との関係
(3) 教員の対応について
5.センシティブな問題を抱えるマイノリティ
[解説]個人の尊厳
1 LGBTとは
(1) LGBTの意義
(2) セクシュアリティの構成要素
(3) 日本の人口に占める割合
2 SOGIという概念
3 LGBTの子どもの実態
4 学校現場でできること
(1) 性別二元論からの脱却
(2) LGBTの存在をいつも念頭に置く
(3) 具体的に気をつけるべき点
(4) LGBTに関する啓発
(5) 生徒からカミングアウトされたら
5 本事例について
6.障害がある子どもへの配慮
[解説]合理的配慮
1 平等と差別
2 多様性とインクルーシブ教育
3 本事例について
(1) 不当な差別的取扱いの禁止
(2) 合理的配慮の基本的な考え方
4 まとめ
7.子どもの貧困をどうするか
[解説]平等の考え方と配分的正義
1 平等についての法的な考え方
2 学校教育における平等のあり方
3 「合理的な配慮」という考え方
4 本事例について
(1) 教育の現場の難しさと配分的正義
(2) 実質的平等を実現するための補習授業
5 相対的貧困、社会的排除について
8.教師の人権
[解説]学校教育の役割
1 教育とは
2 家庭教育
(1) 基本的な役割
(2) 法によって定められる役割
3 社会教育
(1) 法による定義
(2) 子どものための学校外の施設
4 学校教育
(1) 学校制度
(2) 教員の人権、真の教育
6 本事例について
(1) ルールの決め方
(2) 本事例への対応
7 すべての者の権利が守られる学校に
教員の新しい“働き方様式”のために
上越教育大学 中平一義
1 はじめに
2 教員の働き方の実態
(1) 「ある公立中学校教員の一日」からみる教員の日常
(2) 長時間化する勤務時間の実態
3 教員の働き方の歪み
(1) 理想としての“聖職者である教員像”への期待(要求)
(2) 教員の休職者数の増大
4 教員の働き方改革の内容と課題
(1) 教員の働き方改革として――業務内容の境界線の明確化
(2) 教員の働き方改革として――改正給特法とその問題
5 おわりに――“ナショナル・ミニマム”に対する国民的議論の必要性
公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法