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扁桃病巣疾患診療の手引き2023

監:扁桃病巣疾患診療の手引き作成委員会
著:日本口腔・咽頭科学会

紙版

内容紹介

扁桃病巣疾患は、扁桃が離れた臓器に反応性の器質的・機能的障害を引き起こす、きわめてユニークな疾患です。感染がその病態に関与するとされてきましたが、近年の基礎研究の進歩により、感染と免疫の両面を併せ持つ扁桃を原因とした自己免疫・炎症疾患症候群(tonsil-induced autoimmune/inflammatory syndrome:TIAS)として捉える概念が提唱されています。この概念を歴史的な背景とともに解説し、実際に外来で診療にあたる耳鼻咽喉科医師が各関連科より紹介された扁桃病巣疾患をどのように診断して手術適応を決定すればよいのかを示したのが本書です。判断に迷った際に、口蓋扁桃摘出術を勧める資料となることを期待して作成しています。
【特長】
●扁桃病巣疾患の疾患概念・病態・診断・治療、各扁桃病巣疾患における口蓋扁桃摘出術の治療成績について文献を網羅的・系統的に検索して集積しました。
●解説文は、文献の集積結果をもとに作成しました。また、口蓋扁桃摘出術の治療成績に関しては要旨や表を作成して、よりわかりやすく示しました。
●耳鼻咽喉科だけでなく、扁桃病巣疾患の診療を専門とする皮膚科、腎臓内科、膠原病・リウマチ内科、整形外科、小児科の医師によるチェックも経て作成しています。

目次

第1章 総論
Ⅰ.扁桃の構造と機能
(1)構造
(2)機能
Ⅱ.疾患概念・歴史
(1)疾患概念
(2)歴史
(3)本邦での扁桃研究
Ⅲ.扁桃病巣疾患として挙げられる疾患
Ⅳ.病因・病態生理
(1)掌蹠膿疱症
(2)IgA腎症
Ⅴ.診断
(1)問診・理学所見・検査所見
(2)細菌検査
(3)扁桃誘発試験・打消試験
Ⅵ.治療
(1)口蓋扁桃摘出術
(2)遺残扁桃摘出術
(3)歯科治療
 トピック 上咽頭擦過療法(epipharyngeal abrasive therapy:EAT)
第2章 各論
Ⅰ.掌蹠膿疱症
(1)掌蹠膿疱症とは
(2)口蓋扁桃摘出術の効果
(3)口蓋扁桃摘出術の適応
Ⅱ.成人IgA腎症
(1)成人IgA腎症に対する口蓋扁桃摘出術の効果
(2)口蓋扁桃摘出術
(3)口蓋扁桃摘出術+ステロイドパルス療法
(4)成人IgA腎症における口蓋扁桃摘出手術の適応
Ⅲ.小児IgA腎症
(1)小児IgA腎症
(2)小児IgA腎症に対する口蓋扁桃摘出術(+ステロイドパルス療法)
(3)小児IgA腎症への口蓋扁桃摘出手術(+ステロイドパルス療法)の適応
Ⅳ.腎移植後IgA腎症
(1)腎移植後IgA腎症における口蓋扁桃摘出術
(2)腎移植から再発、口蓋扁桃摘出術までの期間
(3)口蓋扁桃摘出術による効果
(4)口蓋扁桃摘出術の適応
Ⅴ.胸肋鎖骨過形成症、掌蹠膿疱症性骨関節炎、SAPHO症候群
(1)疾患概念
(2)口蓋扁桃摘出術の効果
(3)口蓋扁桃摘出術の適応
Ⅵ.PFAPA症候群
(1)PFAPA症候群とは
(2)PFAPA症候群の保存的治療
(3)口蓋扁桃摘出術の効果
(4)PFAPA症候群における口蓋扁桃摘出術の適応
Ⅶ.IgA血管炎
(1)IgA血管炎とは
(2)口蓋扁桃摘出術の効果
(3)口蓋扁桃摘出術の適応
Ⅷ.尋常性乾癬・滴状乾癬
(1)尋常性乾癬・滴状乾癬とは
(2)口蓋扁桃摘出術の効果
(3)口蓋扁桃摘出術の適応
Ⅸ.反応性関節炎、関節リウマチ
(1)反応性関節炎
(2)関節リウマチ
(3)口蓋扁桃摘出術の効果
Ⅹ.その他の扁桃病巣疾患
(1)はじめに
(2)ベーチェット病
(3)結節性紅斑
(4)潰瘍性大腸炎
(5)微熱
(6)終わりに

ISBN:9784877942281
出版社:協和企画
判型:A4
ページ数:62ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2023年05月
発売日:2023年05月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MN