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進化するエンジン技術―課題克服のための発想と展開

著:井坂 義治

紙版

内容紹介

動力源としての性能向上や信頼性はもちろんのこと、排気ガス対応や燃費改善が続けられてきたエンジンの技術は、先人のたゆみない努力によって蓄積され実現してきた。本書は、エンジン開発に長く従事してきた著者が、そこにどのような課題や技術的な意味があったのかを探りながら、新たな見方や知見を提供しつつ、これからのエンジンの可能性を展望する。

目次

はじめに

第Ⅰ章 エンジンは生き残れるか
1.自動車用エンジンをとりまく現状
2.今後のガソリンエンジンは
3.生き残るためにエンジンは進化した
4.そして4サイクルエンジンが残った
5.結局はガソリンもディーゼルも同じ
6.排気ガス特性と清浄化
7.特性を活かさないと生き残れない

第Ⅱ章 もっと知るエンジン作動特性
1.シリンダ内のガス組成はこんなに違う
2.ポイントは低温での急速燃焼
3.燃費の指標はq-T特性
4.燃費を良くするベースは摩擦の低減
5.もっと考慮したい排気ポンピングロス
6.燃費改善の基本は狭角4バルブ

第Ⅲ章 適合性を高める可変装置
1.吸気の動的効果を高める吸気制御装置
2.運転条件に合わせる可変動弁装置
3.ガソリン圧縮着火(HCCI)が可能にする超希薄燃焼
4.基本諸元可変装置

第Ⅳ章 2サイクルエンジンの特性と欠点の原因
1.高出力が2サイクルの特徴
2. 2サイクルでは避けられない低負荷時の不整燃焼、排気ガス低減の壁
3.ガソリン圧縮着火の先駆者は2サイクル
4.2サイクルエンジンの可能性

第Ⅴ章 設計が難しい空冷エンジン
1.空冷エンジンの冷却
2.バルブクリアランスの維持
3.空冷エンジンのシリンダ配置
4.シリンダヘッド締め付け部の設計
5.空冷エンジンのクランク軸受

第Ⅵ章 産業用小型エンジン
1.新機能でシェアを逆転した汎用エンジン
2.芝刈り機用バーチカルエンジン
3.携帯型2サイクルエンジン
4.携帯型4サイクルエンジン

第Ⅶ章 もっと知るエンジンのあれこれ
1.高速回転の難しさ
2.人の感覚とエンジン特性
3.実用的な4サイクルのトルク特性
4.1スロットルと多連スロットル
5.負荷によって異なる回転変動
6.クランクケース過給エンジン
7.狭角V型エンジン
8.水噴射エンジン
9.水素エンジン

第Ⅷ章 今後の動力源
1.電動車用エンジン
2.適者生存
3.EVは成長期への移行が可能か

参考文献
資料協力
おわりに

著者略歴

著:井坂 義治
1946年徳島県生まれ。ヤマハ発動機入社後、二輪車エンジン設計部門で2サイクル、4サイクルエンジンの設計に従事。その後、技術開発部門にて排気ガス対策技術開発に従事した後、二輪車初のV型4気筒エンジンの開発や世界で初めての7バルブエンジンの開発、吸気制御装置の開発などを担当。これらを通して400件以上の特許を出願。MC事業本部技術統括部エンジン開発室主管で退職。退職後は、静岡大学客員教授、静岡理工科大学非常勤講師、(株)アイデアシニアコンサルタント(TRIZ)、小型エンジンメーカー技術コンサルタントとなる。現在は、中部品質管理協会講師。その他、ASQ(アメリカ品質協会)認定CQE。著書に『技術者のための問題解決手法TRIZ』『QFDとTRIZ』(ともに養賢堂)、『製品開発の問題解決アイデア出しバイブル』(日刊工業新聞社)、『第3世代のQFD事例集』(共著、日科技連出版社)がある。

ISBN:9784876874040
出版社:グランプリ出版
判型:A5
ページ数:217ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2023年04月
発売日:2023年04月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KN