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哺乳類の卵

発生学の父、フォン・ベーアの生涯

著:石川 裕二

紙版

内容紹介

現代の生殖医療では、人工授精などで人間の卵子を取り扱うことが日常的に行われている。
しかし、ここに至るまでには発生学の長い歴史があった。
そもそも哺乳類の卵というものが知られるようになったのは、わずか200年ほど前のこと。
その発見者こそが、カール・エルンスト・フォン・ベーアであり、近代発生学の始祖と言ってよい人物である。
『種の起源』でも、ダーウィンが尊敬をこめて言及している。
再生医療や進化発生学の原点を創出したベーアは、現代においてこそ、もっとも注目されるべき科学者の一人である。

目次

はじめに
第1章 デリンガー教授との出会い
第2章 ロシア生まれのドイツ人
第3章 子供時代
第4章 高等学校時代
第5章 ドルパト大学時代
第6章 大学卒業と遍歴修業の旅
第7章 デリンガー教授をめぐって
第8章 ヴュルツブルク大学―パンダーと発生の研究
第9章 ベルリン大学と帰郷
第10章 ケーニヒスベルク大学―はじめの数年間
第11章 発生の研究
第12章 哺乳類の卵の発見
第13章 ブルダッハとの不和と主著の出版
第14章 ケーニヒスベルク大学―ドイツを去るまでの数年間
第15章 ペテルブルク科学アカデミー―ロシアでのベーア
第16章 晩年および進化論について
第17章 現代に続くベーアの仕事
 1 生き続ける彼の研究
 2 発生学、遺伝学、そして分子生物学
 3 現代的な発生生物学
 4 生殖工学技術の発展
 5 生殖医療の発展と問題点

著者略歴

著:石川 裕二
1948年生まれ。東北大学大学院理学研究科修了。琉球大学助教授(医学部解剖学)、科学技術庁放射線医学総合研究所主任研究官、定年退職後に上智大学理工学部非常勤講師。専門は神経発生学、神経解剖学、解剖学、放射線生物学。著書に『メダカで探る脳の発生学』(恒星社厚生閣、2018)、訳書に『ブレイン・アーキテクチャ』(東京大学出版会、2010年)。

ISBN:9784875025085
出版社:工作舎
判型:4-6
ページ数:176ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2019年05月
発売日:2019年05月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB