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移動とことば2

編:川上 郁雄
編:三宅 和子
編:岩崎 典子

紙版

内容紹介

人の移動を扱うこれまでの研究の限界を明らかにし、当事者の「経験と記憶の語り」による、「移動とことば」研究の可能性を広げていくシリーズ第2弾。多様なアプローチから人類学、社会学、歴史学、心理学、文学の領域における、移動に生きる人々の生を探究する野心的な研究を幅広く収録。

■あとがきから
『移動とことば2』は、多様な「移動」を経験した研究者がモバイル・ライブズを生きる現代のすべての人たちと未来の子どもたちに向けて書いた「論考集」であり、「語りの束」でもある。ここで描かれている様々な〈個〉の物語が、読者の中にもある多様な「移動」を発見し、振り返り、そしてそれらがいかに現代的な問題を照らしだしているかを認識し、今後の探究に繋げていく…これが本書に込められた編者の願いである。

目次

第1部 「移動とことば」の語りとアイデンティティ
第1章 名前をめぐるアイデンティティ交渉:「ハーフ」の娘と母の「移動」の軌跡から見えるもの
Laura Sae Miyake Mark・三宅和子

第2章 湯呑の貫入に投げ込まれた「移動とことば」
尾辻恵美

第3章「が」の正体:痛みをのりこえてひらく花
半嶺まどか

第4章 「留学」研究からことばの学習と使用を考える:移動を重ねるスロバキア出身Denisaの言語レパートリー
岩﨑典子

第2部 「移動とことば」の語り方と書き方
第5章 「当事者」研究をする「私」のオートエスノグラフィ:カテゴリー化をめぐって
南誠(梁雪江)

第6章 「移動する子ども」のライフストーリーとオートエスノグラフィ:聞き手と語り手と書き手の関係を振り返って
リーペレス・ファビオ

第7章 German, Japanese and beyond:How my languages made me a Psycholinguist
辻晶

第8章 移動とことばをめぐるダイアローグ:異郷に生きる関西出身者の往復書簡より
川口幸大・津川千加子

第9章 「移動する子ども」と文学:荻野アンナの文学世界を読む
川上郁雄

著者略歴

編:川上 郁雄
川上郁雄(かわかみ・いくお)
早稲田大学大学院日本語教育研究科教授
編:三宅 和子
三宅和子(みやけ・かずこ)
東洋大学名誉教授
編:岩崎 典子
岩﨑典子(いわさき・のりこ)
南山大学人文学部日本文化学科・人間文化研究科言語科学専攻教授

ISBN:9784874248966
出版社:くろしお出版
判型:A5
ページ数:260ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2022年03月
発売日:2022年04月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:CF