出版社を探す

シリーズ臨床哲学 5

哲学対話と教育

編:寺田 俊郎
他著:小川 泰治
他著:中川 雅道

紙版

内容紹介

人が学び成長する場をひらく、哲学対話――。判断がつかないこと、悩んでいること、そしてそれに対処する術を知らないことを認めることから始め、それに向き合いつつ考え続けること、考えるための対話の場を開き続けること、それが臨床哲学です――
哲学対話は、未知の状況に対応できる力を身に着けるための「主体的・対話的で深い学び」を実現する。問いをめぐって自由に発言し、よく聴きあいながら共に考えていく経験こそ、すべての学びにつながる主体的・対話的な「構え」をつくる。日本各地の学校、専門職教育、社会教育、企業研修、地域づくりの場で実践されてきた記録とともにその意味と方法を考え直し、哲学対話の未来を構想する。

目次

監修者のことば

はじめに

序 章 教育における哲学対話の発祥と展開

第1部 学校での哲学対話

第1章 持続可能な発展のための教育と哲学対話―幸ケ谷小学校

コラム  哲学対話の「学校化」に抗う―中学校での哲学対話

第2章  実感のある問いを、生きた言葉で―小石川中等教育学校

第3章 まるで祈るように、話しつづける―神戸大学附属中等教育学校

第4章 今日は何をするの?―須磨友が丘高等学校

コラム  放課後のきらめき―都立高校での哲学対話

第5章  専門教育でも、教養教育でも、課外活動でも―大学での哲学対話

第6章 看護教育における哲学カフェとソクラティク・ダイアローグの試み

第2部 哲学対話の広がり

第7章 ビジネス・パーソンと哲学する―企業での哲学対話

コラム  Philosophy for Adults―問いを持って暮らし、働くための哲学対話

第8章 いつから楽になったのだろうか?―地域包括支援センターでの哲学カフェ

第9章 原発禍の町で問う

第10章 哲学対話とマジョリティ/マイノリティ―哲学カフェin とよなか国際交流センター

コラム  問いに集うということ―まちづくりと哲学対話

第3部 哲学対話と教育

第11章 それでも哲学対話を教育に生かす

第12章  そういえば、結局のところ、対話するってどんなことだろう?

終 章 往復書簡

コラム  高校公民科「倫理」と「哲学対話」の異次元的邂逅

コラム  たったひとりに出会うこと― 国語科における哲学対話の実践から

おわりに

著者略歴

編:寺田 俊郎
1962(昭和37)年広島県生まれ。洛星中学・高等学校教諭を経て、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。上智大学文学部哲学科教授。実践哲学の研究・教育の傍ら、街中、学校、企業での哲学実践に取り組む。

著書として『どうすれば戦争はなくなるのか―カント『永遠平和のために』を読む』(現代書館)、共編著として『グローバル化時代の人権のために』(上智大学出版会)、共著として『哲学カフェのつくりかた』(大阪大学出版会)など。
他著:小川 泰治
1989(平成元)年兵庫県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課
程単位取得退学。宇部工業高等専門学校一般科講師。NPO 法人こども哲学・おとな哲学アーダコーダ理事。上智大学在学中に哲学対話に触れて以降、各地で学校教育における哲学対話の実践やサポートに関わっている。
共著に『ゼロからはじめる哲学対話― 哲学プラクティス・ハンドブック』(ひつじ書房)、『こども哲学ハンドブック― 自由に考え、自由に話す場のつくり方』(アルパカ)。
他著:中川 雅道
1986(昭和61)年京都府生まれ。大阪大学大学院文学研究科後期課程修了。神戸大学附属中等教育学校教諭。
哲学カフェをたまに開催しながら、勤め先の神戸大学附属中等教育学校の授業で「子どもの哲学」を実践している。

ISBN:9784872597271
出版社:大阪大学出版会
判型:4-6
ページ数:346ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2021年02月
発売日:2021年02月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QD