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瀬戸内寂聴 愛ことば いわて天台寺青空法話

著:瀬戸内寂聴

紙版

内容紹介

 故瀬戸内寂聴さんが岩手県二戸市浄法寺町の天台寺で30年間続けた「青空説法」。時を経ても色あせず、私たちの胸に今もなお響くことばの数々を収録した一冊。
 「自分の目の前の人を、一日に一度でも喜ばせてあげてください」
「恨みは早く忘れるように。しかし、恩は忘れちゃいけない」
「楽しいことを見つけ出して。じ~っとしていてもいいことは寄って来ません」

 多くの人々に元気と笑顔を与え続けた天台寺青空説法で、音源が残る1998年6~11月の6回分を収録。愛と優しさ、ユーモアにあふれ、時にピリリと辛口な「愛ことば」。当時76歳の寂聴さんが私たちに伝えてくれた仏の教え、生と幸せへの問いかけが今、鮮やかによみがえります。

復興を遂げた天台寺の青空法話。人の心に寄り添い、ユーモアあふれる話は、亡き今も人の心を癒やすだろう――瀬戸内寂聴秘書 瀬尾まなほ

目次

1998年6月7日
 ・浄法寺は漆の町。漆塗りの厨子にお寺が流行った証拠があります
 ・仏様が間違うといけません。お願いごとは声に出してはっきりと
 ・本気で、本気で無心に祈れば、祈りは通じるんです
 ・貧乏が誇りにならないと、本当のお寺ではないと思うんです
 ・『源氏物語』に取りかかる勇気を与えてくださったのは観音様
 ・自分の目の前の人を、一日に一度でも喜ばせてあげてください
 ・「顔施」とは、にっこりすること。笑顔は幸せのプレゼントです
 ・まず自分が幸せになりましょう。そして人を幸せにしましょう
 ・心の闇を抱えたときは、視点を変えれば楽になります
 ・お釈迦様は人のために苦労して。これが慈悲、限りない優しさ
 ・古いものを大切にする。これも文化ですよね

1998年7月5日
 ・「極楽があるか」とよく聞かれるけど、まだ行ったことがないんです
 ・忘れるということは、恩寵と劫罰が一緒になっているんです
 ・恨みは早く忘れるように。しかし、恩は忘れちゃいけない
 ・神や仏は、私たちが自分で判断する力を与えてくれます
 ・あなたたちが知らん顔をしても、仏様はちゃんと傍にいてくださる

1998年8月2日
 ・御山と桂の木に宿る霊気に導かれ
 ・私の『源氏物語』ができたのは、桂泉観世音のご加護
 ・心を込めて、まずは感謝をしましょう
 ・お葬式は亡くなった人の得度式。戒名は得度した「しるし」です
 ・周りに色んな観音様がいます。そう思えば、私たちは孤独ではないのね
 ・人は必ず死にます。しかし、その人の命を伝えるものが生きていくんです
 ・長生きの秘訣は、食べ過ぎず、ため過ぎず

1998年9月6日
 ・同じ志の仲間がひとところに集まる、これって素晴らしいこと
 ・仏様や社会へお礼をするため、京都に「寂庵」を開きました
 ・あなたがいるだけで周りの人が幸せになる。そういう人間におなりなさいね
 ・いじめってなんにもならない。『源氏物語』の世界にもいじめがあったんです
 ・『源氏物語』は永遠の日本の文化。心に誇りを持ってください

1998年10月5日
 ・みなさん、心して上がってくださいね。天台寺の本堂は重要文化財です
 ・天台寺のおみこし様は「お葬式」。だからしずしずと渡ります
 ・今日一日、今一瞬を切に生きる。これが仏教の極意でございます

1998年11月1日
 ・1000年前、『源氏物語』の時代の結婚は、女にとって不利な条件でした
 ・せっかく天台寺に来たんだから、十歳ここへ捨てていってください
 ・21世紀は七十歳、八十歳が頑張らなきゃいけません
 ・楽しいことを見つけ出して。じ~っとしていてもいいことは寄って来ません
 ・最期に思いが残らないように。これが生きている者の嗜みです

著者略歴

著:瀬戸内寂聴
1922年徳島市生まれ。1943年に結婚、東京女子大卒。1945年に北京で終戦を迎える。作家として活躍中の1973年、中尊寺(岩手県平泉町)で得度。1987年に八葉山天台寺(岩手県二戸市)の住職に就き「青空法話」を開始。仏教や世相など幅広い話題を取り上げ、全国から訪れたファンに愛することや笑顔の大切さを説いた。2005年に天台寺住職を退任後も青空法話を継続。計299回開催され、2017年の住職就任30周年記念特別法話が最後となった。著書に『夏の終り』『手毬』『花に問え』『現代語訳 源氏物語』(全10巻)など多数。2021年11月9日逝去。享年99。

ISBN:9784872014327
出版社:岩手日報社
判型:B6
ページ数:155ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2022年12月
発売日:2022年12月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRFB