序 章 古代宮都・官衙の調査研究略史
1.国家形成と宮都・官衙の出現
2.古代宮都・官衙研究の現状と課題―7・8世紀代を中心に―
3.地方官衙の出現および機能と宮都との関連性
第1章 官衙における中心建物の系統と展開―古代官衙出現の背景―
1.有力者の居宅とその理解
2.弥生時代における方形柱掘方の出現とその系統
3.古墳時代の大型掘立柱建物
4.分散から集約へ
5.超大型建物の出現・展開と官衙の出現
第2章 屯倉から評衙・郡衙へ―橘樹官衙遺跡群の検討を中心に―
1.古墳・官衙と支配者層の変質
2.上円下方墳出現の歴史的意義
3.古墳築造の終焉―氏族制の解体を目指して―
4.地方官衙・寺院造営からみた有力者
5.橘樹における有力者と造営事業
第3章 検出遺構における四面廂建物
1.柱掘方の形状からみた作業単位の把握
2.事例からみた四面廂建物の傾向
3.四面廂建物における柱掘方の事例検討
4.事例の比較と考察
5.四面廂建物の格式と造営
第4章 畿内の郡衙
1.畿内の郡衙調査・研究の現状
2.畿内における郡衙の実相
3.畿内における郡衙研究の今後―まとめに代えて―
第5章 宮都と国府の成立
1.国庁の成立と展開を考える
2.藤原京の成立
3.国庁の成立
4.宮都と国庁の比較検討
5.宮殿との比較からみた国庁
第6章 飛鳥・藤原地域における7世紀の門遺構
1.遺構の特徴からみた門の構造と機能
2.石神遺跡における門遺構と区画
3.飛鳥京における門遺構
4.藤原宮における門遺構
5.藤原宮・京における門の特質
6.飛鳥藤原地域における門の構造と特徴
第7章 国府と都城―区画・楼閣および朝堂と脇殿―
1.国庁の改作と脇殿から国府を考える
2.国庁区画の平面形と宮殿
3.楼閣の配置国庁脇殿の空間構造
4.国庁脇殿の空間構造
5.平城宮東区朝堂院出土陶硯の分布とその特徴
6.国庁における陶硯出土分布の特徴―大宰府の例―
7.楼閣と脇殿からみた国庁の機能
第8章 奈良時代における大嘗宮の変遷とその意義
1.大嘗宮の考古学的研究の現状と課題
2.平城宮における大嘗宮遺構
3.大嘗宮の所在位置とその意義
4.奈良時代の大嘗宮における構造と変遷
5.大嘗宮における各施設の遺構的特徴
6.奈良時代における大嘗宮の構造と画期
第9章 都市的空間としての斎宮と武蔵国府
1.国府や斎宮は都市なのか
2.遺構からみた斎宮
3.地鎮遺構と地鎮修法の変遷
4.遺構からみた武蔵国府
5.斎宮と武蔵国府出土の土器・緑釉陶器
6.斎宮・武蔵国府出土の陶硯
7.「都市的」と「都市」とのちがい―斎宮と武蔵国府の特質―
終 章 古代地方官衙と宮都
1.古代地方官衙出現の史的評価
2.古代地方官衙の機能と実態
3.官衙の造営や改作を主導した人物
4.地方官衙に出仕する人びと
5.官衙研究のこれから