はしがき 中山 徹
序章 能登半島地震、復興のあり方を考える……中山 徹
1 地震と被害の概要
2 本気で国民を自然災害から守ろうとしているのか
3 新自由主義的な自治体の再編が復旧、復興の支障に
4 地震後の推移
5 復興をめぐる危険な動き
6 石川県創造的復興プランに対する危惧
7 市町復興計画(案)の特徴
8 復旧・復興の基本方向
第1章 能登多重災害の被害の諸相…………………武田公子
1 能登地域を襲った災害
2 地盤災害・土砂災害とインフラの損壊
3 避難形態の多様化・域外化と長期化
4 仮設住宅をめぐる諸問題
第2章 自治体の財政対応……………………………桒田但馬
1 災害財政対応の全体像
2 生活・住宅と仕事の再建への対応
3 インフラ復旧への対応
4 市町の「追加」等支援
5 復興基金の検討
6 財政対応の課題
第3章 地域経済からみた発災後の復旧活動と
復興計画………………………………………小山大介
―生活再建と生業再建の現状把握を中心として―
1 実態を捉えるために
2 能登半島地震における地域経済・社会の被害実態
3 遅れる生活再建・生業再建と地域経済の復旧
4 「惨事便乗型復興」と先行する復興計画
5 地域に寄り添った復旧・復興に向けて
第4章 震災時の医療、介護の実際と課題…………柳沢深志
1 地震の特徴と医療介護に及ぼした影響・被害
2 急性期の石川県の対応の概要
3 被災地医療の実情
4 金沢以南の医療状況
5 広域避難の実態
6 介護分野
7 各医療団体の活動
8 医療費・介護保険料をめぐる課題
9 石川県の復興計画
10 震災から1年を経て、現在の医療介護の課題
第5章 能登半島震災が示した移動の課題…………西村 茂
―初動対応の教訓から―
1 初動対応の遅れ
2 道路の被災と復旧
3 孤立地区
4 自主避難所
5 公共交通の被害と復旧
6 移動の回復と移動できない生活への備え
第6章 耐震改修の現状と課題………………………中山 徹
1 住宅被害の特徴
2 政府が進める耐震改修の現状と問題
3 石川県、輪島市、珠洲市の耐震改修計画
4 耐震改修は公費で進めるべき
第7章 小さな集落の存続のために…………………窪田亜矢
―なぜ被災集落の存続は難しいのか―
1 なぜ被災集落の存続は難しいのか
2 能登町白丸地区の歴史的変容
3 能登町白丸地区の被害とその対応
4 白丸地区の抱える困難さはどのように対応し得るのか
5 小さな集落の存続のために
第8章 複合災害と原発………………………………立石雅昭
―能登半島地震の教訓―
1 能登半島地震の志賀原発への影響
2 複合災害時、避難はできない
3 能登半島地震の教訓
4 地震は原発の最大のリスク
第9章 大災害と自治体職員……………戸室健作・黒田兼一
1 過酷な労働環境に直面した被災自治体職員
1 長時間労働
2 被災自治体職員の声
3 背景にある職員数の急減
2 大規模災害と自治体職員の働き方
1 復旧・復興が自治体の日常的基本業務と化した現実
2 政府・総務省の基本方針
3 災害と超長時間勤務の規制
第10章 持続可能な能登に向けた復興の課題
…………………………………竹味能成・武田公子
1 なりわいの復興に向けて
1 人口減少の加速化
2 過疎地域における「創造的復興」のあり方
3 石川県および能登地域自治体の復興計画の特徴と問題点
4 過疎化のいっそうの進行をくい止め地域の持続可能性を
高めるための、なりわいの復興の課題
2 住まいと暮らしの再建に向けて
1 被災者生活再建支援制度とその課題
2 多重被災にかかる支援の課題
3 災害ケースマネジメント組織・体制の必要性
3 集落機能の再建
終章 惨事便乗型「創造的復興」と「人間の復興」の
新たな対抗………………………………………岡田知弘
―被災地における地方自治とコミュニティ再生の重要性―
1 問題の所在
2 2024能登半島地震の特徴と被害の特性
3 生活・産業基盤の破壊と原発
4 なぜ対応が遅れたのか
5 復旧・復興をめぐる問題と地方自治・住民自治
6 憲法の理念と地方自治を生かした復興を
7 憲法を被災地で生かす