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藤原家経集 源頼実集 全釈

著:久保木 哲夫
著:加藤 静子
著:平安私家集研究会

紙版

内容紹介

関白頼通時代の二人の歌人

藤原家経は儒者歌人として歌合などで活躍。
家集からは伊勢大輔や能因等との親交、頼通時代の万葉集受容の一端が明らかになる。

源頼実も歌合などで活躍し、和歌六人党の一人に数えられるが、三十歳で夭折した。
最善本を底本とした注釈によって従来の歌序が訂正され、真の姿が出現。
源氏物語や先行詩歌を貪欲に摂取する姿勢が浮かび上がる。

■藤原家経(992〜1058)は、参議有国の孫、参議広業の子。
文章博士・式部権大輔などをつとめ、儒者歌人として後一条~後冷泉天皇時代に活躍。
関白頼通の家司で、孫祐子内親王主催の歌合・草合・歌会などで中心的役割を果たす。
家集には万葉集歌を踏まえた家経歌が確認され、関白頼通時代の万葉集受容の一端が明らかとなる。

■源頼実(1015~1044)は、頼光の孫、頼国の子。
後一条天皇の蔵人所雑色、後朱雀天皇時代に、雑色、左衛門尉、六位蔵人、三十歳で没。
関白頼通・祐子内親王に近侍し、源師房の家人。聴覚にすぐれた歌人という定評がある。
源氏物語の場面摂取歌が指摘されているが、先行詩歌を貪欲に学んでいる。
新たに見出した底本からは、自撰家集らしい相貌が見えてくる。

目次

凡例

[注釈]
藤原家経「家経朝臣集」
源頼実「故侍中左金吾家集」

[解説]
I 藤原家経とその家集……加藤静子
一 家経の経歴
 1 後一条天皇時代
 2 後朱雀天皇時代
 3後冷泉天皇時代
二 家経集詞書から——儒学者らしい表現
三 家経集と万葉集

II 家経集の底本(冷泉家時雨亭文庫蔵真観本)、および詠歌の配列について……熊田洋子
一 家経集の底本「真観本」について
二 家経集の配列について

III 頼実集の底本(京都女子大学蔵蘆庵文庫本)、およびその構成と編者……加藤裕子
一 京都女子大学蔵蘆庵文庫本頼実集
二 頼実集の現存諸本と底本の選定
三 部立と部立内の配列
四 詠歌事情の見直し
五 自撰の可能性

IV 源頼実とその和歌活動……花上和広・加藤静子
一 源頼実、祖父頼光・父頼国の事跡を踏まえて
 1 祖父頼光
 2 父頼国——頼実と重なる職歴、以降の職歴、女たちの配偶者
二 頼実の和歌活動

[付]
参考文献
他文献に見える和歌資料(家経・頼実)
系図(天皇家・摂関家・家経関係・頼実関係)
年表
人物索引
和歌初句索引

あとがき

著者略歴

著:久保木 哲夫
東京教育大学文学部卒業。都留文科大学名誉教授。2022年12月死去。
主な編著書
『四条宮下野集 本文及び総索引』(1970、笠間書院)
『平安時代私家集の研究』(1985、笠間書院)
『完訳日本の古典 無名草子』(1987、小学館)
『伊勢大輔集注釈』(1992、貴重本刊行会)
『康資王母集注釈』(共、1997、貴重本刊行会)
『新編日本古典文学全集 無名草子』(1999、小学館)
『肥後集全注釈』(共、2006、新典社)
『折の文学 平安和歌文学論』(2006、笠間書院)
『古筆と和歌(編、2008、笠間書院)
『出羽弁集新注』(2010、青簡舎)
『うたと文献学』(2013、笠間書院)
『範永集新注』(共、2016、青簡舎)
『伝行成筆 和泉式部続集切 針切相模集新注』(2018、青簡舎)
『藤原頼宗集 師実集 全釈』(共、2021、花鳥社)
『承暦二年内裏歌合新注』(2021年、青簡舎)…
著:加藤 静子
東京教育大学大学院博士課程退学。博士(神戸大学)。都留文科大学名誉教授。
編著書
『新編日本古典文学全集 大鏡』(共、1996、小学館)
『王朝歴史物語の生成と方法』(2003、風間書房)
『王朝歴史物語の方法と享受』(2011、竹林舎)
『王朝歴史物語の構想と展望』(共編、2015、新典社) 
『範永集新注』(共、2016、青簡舎)
『藤原頼宗集 師実集 全釈』(共、2021、花鳥社)
『為房妻仮名書状の注釈』(共、2021、青簡舎)

ISBN:9784868030119
出版社:花鳥社
判型:A5
ページ数:536ページ
定価:17000円(本体)
発行年月日:2024年11月
発売日:2024年12月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DSA