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長門本平家物語の新研究

編:松尾 葦江
他著:水野 直房
他著:佐々木 孝浩

紙版

内容紹介

長門本とは何か。伝来をさかのぼった先に見えるのは――

どのように流動、変貌し、受容されてきたのか。平家物語研究の前進に向けて、これからの指針となる論考群。
調査に必携! 伝本全ての一覧を収録、新出本の書誌情報も網羅。

目次

 口絵(旧国宝本・明倫館本・三田葆光本・松平定信書簡)

長門本とは何か◉松尾葦江
  長門国の平家物語/現存伝本相互関係究明の端緒/中世の〈長門本〉/
  長門本平家物語の特色/平家物語研究の前進に向けて

重要文化財 平家物語長門本 戦災焼損修復の記録◉水野直房

大内文化と「阿弥陀寺本平家物語」◉佐々木孝浩
  はじめに/「阿弥陀寺本」の書誌の再検討/「阿弥陀寺本」の筆跡と書写時期/
  「阿弥陀寺本」と「大島本源氏物語」/
  「大島本源氏物語」からみた「阿弥陀寺本」/おわりに

長門本平家物語の室町物語的性格◉小井土守敏
  はじめに/「遊女」から/横笛説話から/髑髏尼説話から/おわりに

長門本平家物語研究史◉浜畑圭吾
  はじめに/伝本調査、近世における貸借、書写関係/
  諸本間の先後問題、兄弟関係、影響関係/成立の時期と環境の検討/
  文学的評価、他作品への影響/おわりに

長門本平家物語伝本一覧(補遺・新出伝本)◉松尾葦江

萩明倫館旧蔵長門本について◉平藤幸
  はじめに/萩明倫館本(鶴見大学本・山口大学本)の書誌と来歴/
  萩明倫館本の書面・筆跡―明治大学本・国会貴重書本と比較して—/
  萩明倫館本・明治大学本・国会貴重書本の関係/
  諸本の本文異同と諸本の関係の見通し/おわりに

三田葆光写長門本と黒川家旧蔵長門本について◉大谷貞徳
  はじめに/三田本について/三田本の成立の過程/
  三田本の本文系統/おわりに

『長門本平家物語』流布の一形態
 ―山口県文書館所蔵毛利家文書の場合―◉村上光徳

松平定信と長門本『平家物語』
 附、赤間神宮、山口県文書館、石水博物館蔵諸本の略書誌◉塩村耕
  松平定信書簡/松平定信による長門本書写依頼の一件/
  赤間神宮等所蔵、『平家物語』諸本の略書誌

長門本『平家物語』伝本関係の一推論◉大谷貞徳
  はじめに/川喜田遠里と正住弘美/立教館蔵長門本『平家物語』/おわりに

長門本『平家物語』関連の記事対照表◉伊藤悦子

長門本平家物語研究の回想から歩き出す―あとがきに代えて―◉松尾葦江

執筆者紹介

著者略歴

編:松尾 葦江
1943(昭和18)年生。博士(文学)。専門は日本中世文学。
主な著書・論文:『平家物語論究』(明治書院、1985年)、『軍記物語原論』(笠間書院、2008年)、『文化現象としての源平盛衰記』(編著、笠間書院、2015年)、『武者の世が始まる』『無常の鐘声―平家物語―』『平和の世は来るか―太平記―』『乱世を語りつぐ』(軍記物語講座全4巻、編著、花鳥社、2019年、2020年)、「長門切からわかること―平家物語成立論・諸本論の新展開―」(『國學院雑誌』2017年5月)、「源平盛衰記の伝本を見直す」(『国語と国文学』2021年6月)など。
他著:水野 直房
赤間神宮名誉宮司
1957年、國學院大學文学部卒業。同年、宮内庁入庁、書陵部編修課勤務。1986年、赤間神宮宮司拝命。
皇太子殿下(上皇陛下)御成婚の儀奉仕。赤間神宮戦災復興に従事。
他著:佐々木 孝浩
慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授
著書・論文:『日本古典書誌学論』(笠間書院、2016年)、「延慶本平家物語の書誌学的検討」(大橋直義編『根来寺と延慶本『平家物語』』勉誠出版、2017年)、「「大島本源氏物語」の「若紫」末尾四行の筆者について―「大島本」書写環境の再検討」(『斯道文庫論集』56、2022年2月)など。

ISBN:9784868030102
出版社:花鳥社
判型:4-6
ページ数:256ページ
定価:4300円(本体)
発行年月日:2024年10月
発売日:2024年10月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DSA