ステージ4のがん患者として如何に死と向き合うか。
宗教哲学、神道神学の碩学が古今の死生観を
渉猟しつつ大らかな死に方=生き方を提起。
わがいきの
いのちのといきどこにふく
いのちはてても
よはおわりなし (東二)
現在の私の癌の病状は次第に悪化し、脳への多発性転移がfMRIの撮像で認められ、おそらく脳への放射線治療としては最後の手段となる全脳放射線照射を京都大学附属病院で行なうことになった。
それとともに、いよいよ「死に臨む態度」に臨床感・臨場感・臨終感が高まってきた。最後の最期をどう迎えることになるか、それはわからないが、最後の最後までやりたいことをつづけて、「ありがとう」と言ってから死にたい。(「あとがき」より)
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【目次】
序章 極私的随想
第一章 死に臨む
第二章 死と死後について――宣長と篤胤の死生観
第三章 「複雑性悲嘆」と「複雑性感謝」ということ
第四章 「グリーフ」と「ウソつく心」
第五章 うたの力――ピュタゴラス教団の合唱と『古事記』『平家物語』と「ガン遊詩人・神道ソングライター」のうた
第六章 「同行二人」で逝きましょう!――「おひとりさま」では死ねません
あとがき――臨終に向かう過程で
補記 鎌田家人生会議覚書