原案:ワシントン・アーヴィング
ワシントン・アーヴィング(Washington Irving)
世界文学を代表する典型的なキャラクターである〈イカボッド・クレイン〉や〈リップ・ヴァン・ウィンクル〉を創造し、アメリカ・ロマン派文壇の覇権を握るに至ったワシントン・アーヴィングは、そのたくましい創作力と高い教養を広汎に駆使することで旺盛な文学活動を展開した真摯な国際的文人だと言える。華々しく文壇デビューを飾ることになった瞠目の作品『ニューヨーク史』(1809)から畢生の大作『ジョージ・ワシントン伝』(1855-59)に至る作品群のほとんどすべてが、豊かな感性と間然するところがない見事な構成に貫かれていると言っていいだろう。なかでも軽妙洒脱な筆致で独自の世界を築いた短編集『スケッチ・ブック』(1819-20)のなかの代表作「リップ・ヴァン・ウィンクル」や本書の「スリーピー・ホローの伝説」、あるいは伝承に基づく優れた紀行・説話文学の代表格として知られる『アルハンブラ物語』(1832)などの名作は、いまも日本の多くの読者から圧倒的な支持を受けている。
訳:齊藤 昇
齊藤 昇(さいとう・のぼる)
立正大学文学部教授 (文学博士)
国際異文化学会名誉顧問、日本ソロー学会第15代会長、(一財)日本英文学会評議員、NHKカルチャーラジオ講師、朝日カルチャーセンター講師、北海道新聞書評委員、(一社)日本ペンクラブ会員などを歴任。主な著書に『ワシントン・アーヴィングとその時代』(本の友社)、『郷愁の世界─ワシントン・アーヴィングの文学』(旺史社)、『彷徨する文人たち─アメリカ・ロマン派の文学風景』(エディトリアルデザイン研究所)、『「最後の一葉」はこうして生まれた―О・ヘンリーの知られざる生涯』(角川学芸出版)、『ユーモア・ウィット・ペーソス─短編小説の名手О・ヘンリー』(NHK出版)、『そしてワシントン・アーヴィングは伝説になった』(彩流社)、The Literary Pilgrimage of Nathaniel Hawthorne (Bunka Shobo Hakubun-Sha)。共編著として『独立の時代─アメリカ古典文学は語る』(世界思想社)、『深まりゆくアメリカ文学─源流と展開』(ミネルヴァ書房)、Studies in…
絵:アンヴィル 奈宝子
アンヴィル奈宝子(なほこ)
1967年生まれ。東京造形大学デザイン科卒業。イラストレーター。
絵本に『クラクフのりゅう』(偕成社)、『ねずみのよめいり〜インドにつたわるおはなし』(玉川大学出版部)、『どうぶつ うたえほん』(グランまま社)、『ラスチョのせつじょうしゃ』(複音館書店)など多数。