著:ツェリン・オーセル
中国北京在住のチベット人作家・詩人。1966年、文化大革命下のチベット・ラサに生まれる。原籍はチベット東部カムのデルゲ(徳格)。1988年、四川省成都の西南民族学院(現・西南民族大学)漢語文(中国語・中国文学)学部を卒業し、ラサで雑誌『西蔵文学』の編集に携わる。チベット関連の中国語作品に詩集『西蔵在上』(1999年)、散文集『名為西蔵的詩』(2003年に『西蔵筆記』として中国国内で出版後、発禁処分となり、2006年に台湾で再発行)、旅行記『西蔵──絳紅色的地図』(2003年)など多数。
2006年、本書『殺劫』(増補改訂版2016年、増補改訂新版2023年)を台湾で刊行し、中国当局によって固く封印されてきたチベット文革の真実を、写真と追跡取材で初めて明らかにした画期的ルポルタージュとして国際的な反響を呼んだ。中国当局の言論統制や出国禁止措置に抗して誠実な著述活動を続けてきた作家精神が評価され、オランダの「プリンス・クラウス賞」、米国務省の「国際勇気ある女性賞」などを受賞。「著述は流浪、著述は祈禱、著述は証人」を座右の銘にしている。夫は長編小説『黄禍』などで知…
他訳:藤野彰
中国問題ジャーナリスト、北海道大学名誉教授。一九五五年、東京生まれ。七八年、早稲田大学政治経済学部卒。同年、読売新聞社入社。八六‒八七年、中国・山東大学留学。上海特派員、北京特派員、シンガポール支局長、国際部次長、中国総局長などを歴任。中国駐在は通算一一年。東京本社編集委員(中国問題担当)を経て二〇一二‒二〇一九年、北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授。主な著書に『客家と毛沢東革命──井岡山闘争に見る「民族」問題の政治学』(日本評論社)、『嘆きの中国報道──改革・開放を問う』(亜紀書房)、『現代中国の苦悩』(日中出版)、『臨界点の中国──コラムで読む胡錦濤時代』(集広舎)、『「嫌中」時代の中国論──異質な隣人といかに向きあうか』(柏艪舎)、『現代中国を知るための54章【第7版】』(明石書店、編著)、『客家と中国革命──「多元的国家」への視座』(東方書店、共著)など。訳書に『わが父・鄧小平「文革」歳月(上下)』(中央公論新社、共訳)、『殺劫──チベットの文化大革命』(集広舎、共訳)ほか。