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神奈川の関東大震災

100年後の視点

編著:鈴木 晶
編著:小川 輝光
編著:藤田 賀久

紙版

内容紹介

関東大震災100年の節目に、神奈川の高校教員を中心に約20人の執筆者が、地域を歩き、歴史を掘り起こし、考え、未来に向けた「記憶の場」として遺すべく編まれた1冊。フィールドワーク、授業実践の参考書に最適!
被害の実態、隠された史実、朝鮮人虐殺に至る経緯などを明らかにし、現在も残る震災の痕跡を多くの地図・写真を交えて紹介。多層的に、また足元から、そしてグローバルな視野から、100年前の震災を通して歴史の中の個人という存在に目を向けるための手がかりを示す。

目次

はじめに……鈴木 晶

第1部 神奈川県各地域の関東大震災
第1章 関東大震災と横浜―フィールドから見る関東大震災……鈴木 晶
   資料 横浜の関東大震災関連モニュメント・痕跡
《コラム》山田神社(都筑区)の震災復興碑から見えるもの―中原街道が繋いだ「ネットワーク」……柴 泰登
《コラム》市街地の被災民を受け容れた横浜郊外―「中川村」を手掛かりにして見えてくるもの……柴 泰登
第2章 川崎の関東大震災―朝鮮人虐殺問題を中心に……中山拓憲
第3章 鎌倉市に残る関東大震災の記録・記憶とその継承……神田基成
第4章 三浦半島の関東大震災―横須賀、逗葉地区……塚越俊志
第5章 相模原地域から見た関東大震災……上野信治
《コラム》『高下日記』にみる大和市域の関東大震災……智野豊彦
第6章 藤沢市に残る関東大震災の傷跡を歩く……藤田賀久
《コラム》旧相模川橋脚―地震によって出現した遺跡……智野豊彦
《コラム》秦野の震生湖―記憶を語り継ぐ地名……谷口天祥
第7章 『片岡日記』と小田原地域の大震災……井上渚沙
第8章 足柄上郡の関東大震災……桐生海正
第9章 小田原市片浦地区、足柄下郡の関東大震災……関口康弘
第10章 史跡に見る神奈川県近隣の関東大震災……鈴木 晶

第2部 テーマからみた神奈川の関東大震災
《コラム》安政大地震の津波で大破したロシア船と徳川幕府の対応―老中阿部正弘の人命救助と憂鬱 ……岩下哲典
第1章 関東大震災と国際社会とのつながり……飯森明子
第2章 関東大震災への中国支援―100 年前の「山川異域、風月同天」……劉 紅
《コラム》夏休み気分が吹き飛んだ欧米外交団……飯森明子
《コラム》関東大震災が日本の洋楽史を変えた?―ヨーゼフ・ラスカと関西楽壇……松井真之介
《コラム》震災の死を超えて―堀辰雄にとっての鎌倉……高橋 梓
《コラム》神奈川県内の鉄道被害と関東大震災の教訓―「第二東海道本線」としての小田急小田原線を例に……平賀 匡
《コラム》横浜万治病院と震災からみる横浜の公衆衛生・疫病史……徳原拓哉
《コラム》横浜市立横浜商業高等学校の被害と授業再開を目指す美澤進氏について……伴在 渚
第3章 隠れたカリキュラムとしての関東大震災後の学校文集……上田誠二

第3部 関東大震災100 年その後―未来への教訓
第1章 関東大震災の記憶をたどって歩き、考える若者たち―隣人とともに、この町を歩く……小川輝光
第2章 歴史から推測してみる―わずかしか語らない追悼碑とお墓……鈴木 晶
第3章 地域における朝鮮人虐殺の記録と記憶……小川輝光
《コラム》横浜に震災記念館があった……鈴木 晶
《コラム》外所大地震追悼供養碑―未来に伝える地域住民の強い想い……松井真之介
第4章 横浜にあらわれたバラック「関西村」……鈴木 晶
《コラム》思考実験「もしも地震がなかったら」……市川賢司
第5章 相模トラフ―大正関東地震が起きた場所……市川賢司
第6章 国際化・多文化化する横浜と関東大震災研究―インタビュー 後藤周氏
第7章 災害からの復興・教訓、そして世界への貢献―インタビュー 長島昭久氏
《コラム》この100 年の教訓―私たちは何を学んだのだろうか……藤田賀久

おわりに……小川輝光
編集後記……藤田賀久

著者略歴

編著:鈴木 晶
1960年横浜市生まれ。フェリス女学院大学国際交流専攻修士、東京大学教養学部非常勤講師(公民科教育法)、
生徒とFW 中心の活動をする「グローカリー」主宰。現在、横浜市立みなと総合高等学校勤務。
単著『旅行ガイドにないアジアを歩く―横浜』(梨の木舎、2020年)、共著『神奈川の戦争遺跡』(大月書店、1996年)、『近代神奈川の史話31選』(神奈川県歴史教育者協議会編、2001年)、『旅行ガイドにないアジアを歩く―マレーシア』(梨の木舎、2010年)『同―シンガポール』(梨の木舎、2016年)。
共著『神奈川から考える世界史』(えにし書房、2021年)。
編著:小川 輝光
1978年生まれ。神奈川県川崎市出身。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。
現在、神奈川学園中学高等学校教諭・早稲田大学教育学部非常勤講師。
神奈川県歴史教育者協議会などで神奈川の歴史とかかわる。
著書『 3・11 後の水俣/MINAMATA』(歴史総合パートナーズ⑦、清水書院、2019年)。
共著『神奈川から考える世界史』(えにし書房、2021年)。
編著:藤田 賀久
1973年神戸市生まれ。The George Washington University 修士、上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科国際関係論専攻博士後期課程満期退学。貿易商社、東京財団、国会議員政策秘書、上智大学非常勤講師等を経て、現在は多摩大学・文教大学非常勤講師、慶熙大学校客員研究員など。
著書『台湾へ行こう!』(えにし書房、2018年)『アジアの虐殺・弾圧痕を歩く』(えにし書房、2021年)。
共著『東アジアの弾圧・抑圧を考える』(春風社、2019年)、編著『神奈川から考える世界史』(えにし書房、2021年)。

ISBN:9784867221211
出版社:えにし書房
判型:B5
ページ数:189ページ
価格:2000円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年08月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS