書く技術・伝える技術
改訂新版
著:倉島 保美
内容紹介
読み手に負担をかけないビジネス文章を書く能力の習得を助けるための本。
ここでいう「読み手に負担をかけない」とは、次の3点を指す。
・読み手になるべく文章を読ませずに、それでいて必要な情報を伝達できる
・内容を一読で理解してもらえる
・重要な内容を記憶に残せる
また、「ビジネス文書」とは、ビジネスの世界で読み書きされるすべての文章を意味する。
基礎編⇒理論編⇒実践編と順を追って説明する構成。
目次
基礎編「書く技術」が身につけば、仕事の効率はもっと上がる!
1「読ませない」文章を書こう
「楽しみのための文章」と「ビジネスのための文章」/
読ませないで情報伝達できる工夫が重要/一読で理解してもらえる工夫が重要/
重要な情報が記憶に残る工夫が重要/管理職には30秒で情報を伝達できるように書く/
担当者には必要な情報が一目で伝わるように書く/伝達性だけでなく、論理性や作業性も重要
2 文章の良し悪しがビジネスの成否を分ける
有効な情報を効率よく共有化する/読み手のメリット/書き手のメリット/困るのは書き手のあなた!
3「書く技術」は経験では身につかない
知らなければ書けない/知っていても実践しなければ書けない/経験では書けるようにはならない/
ライティングを軽視する日本/ライティングはアメリカに学べ!
4文章を構成するには読み手のメンタルモデルに配慮しよう
予測通りの展開が理解を深める/メンタルモデルが崩れると情報処理が遅くなる/
メンタルモデルに配慮すれば読み手の読解速度はグンと増す
5負担をかける文章とかけない文章、どこに差があるの?
負担のかかり方を比べてみよう/読み比べた結果を確認しよう
理論編「書く技術」が驚くほどアップするビジネス・ライティング7つの法則
1 文章の冒頭には重要な情報をまとめて書く
【原則】文章全体はもちろん、各章、各節でも、冒頭には、大事な情報の概略(=総論)を書く
【効果】必要な相手に、必要な情報だけを短時間で正しく伝えられる
【急所】総論を書くときは、この5点に注意しよう
冒頭に総論がない例【その1】──内容がわかりづらく、論理性も低い
冒頭に総論がない例【その2】──文章の読み直しが必要になる
冒頭に総論がある例
トレーニング1
2 詳細はパラグラフを使って書く
【原則】各論は、パラグラフで文章構成の骨組みを作ってから書く
【効果】情報の整理が容易になる
【急所】構成を検討するときは、この3点に注意しよう
パラグラフが使われていない例【その1】──何が言いたいのかわからない
パラグラフが使われていない例【その2】──支離滅裂
パラグラフ単位でしっかり構成されている例──読みやすく論理的
トレーニング2
3 パラグラフの冒頭には要約文を書く
【原則】パラグラフでもポイントを先に述べる
【効果】必要な情報だけを短時間で伝達できる
【急所】要約文を書くときは、この5点を注意しよう
冒頭に要約文がない例──全部読まなければ理解できない
冒頭に要約文がある例
トレーニング3
4 文頭にはすでに述べた情報を書く
【原則】すでに述べた情報を“つなぎ”に新情報を展開する
【効果】滑らかに流れる文章になる
【急所】既知から未知への流れを守るために、この3点を注意しよう
既知から未知の流れが守られていない例──前後の関係がわかりにくい
既知から未知の流れが守られている例
トレーニング4
5 並列する情報は同じ構成、同じ表現で書く
【原則】並列する情報はパラレリズムを守る
【効果】論理性と伝達性がパワーアップ!
【急所】パラレリズムを守るためには、この3点に注意しよう
パラレリズムが守られていない例──情報が足りず説得力に欠ける
パラレリズムが守られている例──予想通りで理解しやすい
トレーニング5
6 ひとつの文には、ひとつのポイントだけを書く
【原則】ひとつの文で、複数のポイントを述べるのはタブー
【効果】インパクトが強くわかりやすい文章になる
【急所】ひとつのポイントだけを述べるには、この3点に注意しよう
ひとつの文で複数のポイントを述べている例
ひとつの文でひとつのポイントを述べている例
トレーニング6
7 無駄なく、簡潔に書く
【原則】簡潔に表現する
【効果】情報を無駄なく伝達できる
【急所】簡潔に表現するためには、この4点に注意しよう
トレーニング7
総合トレーニング
実践編 パターンと手順を覚えて、実務の文章作りにトライしよう
1 ビジネス文章は、この型を覚えよう
総論は目的と要約でまとめる/各論は総論を詳しく展開する/結論は総論を繰り返す/
ビジネスレポートの典型例を見てみよう
2 ビジネス文章は、この手順で書き上げよう
ビジネス文章作成の11 の手順
◆総論を書く ◆文章全体の構成をパラグラフ単位で検討する
◆パラレリズムできるパラグラフがないか検討する ◆各パラグラフの要約文を作成する
◆各パラグラフを要約文に基づいて展開する ◆総論を見直す
◆情報が既知から未知へと流れているか確認する ◆パラレリズムが守られているか確認する
◆ひとつの文でひとつのポイントだけを述べているか確認する
◆無駄なく簡潔な表現になっているか確認する ◆時間をあけて見直しする
3 提案書を作ってみよう
【設定と課題】英語を社内公用語とするよう提案せよ
この資料をもとに提案書を作ってみよう
【解答例】英語公用語化の提案書
4 調査報告書を作ってみよう
【設定と課題】「スマートグリッド」とは何かを説明せよ
この資料をもとに調査報告書を作ってみよう
【解答例】「スマートグリッド」調査報告書
5 技術報告書を作ってみよう
【設定と課題】電子書籍と紙の書籍とで可読性を比較した結果を報告せよ
この資料をもとに技術報告書を作ってみよう
【解答例】「電子書籍と紙の書籍による可読性比較」技術報告書
6 回答書を作ってみよう
【設定と課題】回答書を作成せよ
この資料をもとに回答書を作ってみよう
【解答例】問い合わせに対する回答書
7 作業指示書を作ってみよう
【設定と課題】Power Pointの発表者ツールを設定する作業指示書を作成せよ
この資料をもとに作業指示書を作ってみよう
【解答例】パソコンの操作法を説明する作業指示書
ISBN:9784866671482
。出版社:あさ出版
。判型:A5
。ページ数:280ページ
。定価:1800円(本体)
。発行年月日:2019年06月
。発売日:2019年06月21日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ。