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ヨーロッパ史のなかのアルザス

中近世の重層的な地域秩序から

著:安酸香織

紙版

内容紹介

近代の独仏対立のなかで四度帰属が変更されたアルザス地域は、現在アルザス欧州自治体を組織し、ライン上流域・フランス・ヨーロッパの三層構造のなかに居場所を見出しつつある。
本書はこうした変化のなかにあるアルザスを、長い時間軸と広い空間軸のなかで、とりわけ中近世のライン上流域および神聖ローマ帝国におけるネットワーク的・重層的な地域秩序に注目して紐解いていく一冊である。

目次

第1章 ライン川を取り巻く自然と人間(ライン川とライン地溝帯、ケルト時代、ローマ時代 など)
第2章 中世ライン上流域とエルザス(メロヴィング期の「エルザス」、シュタウフェン朝と「シュヴァーベンおよびエルザスの大公」、「大空位時代」と「一四世紀の危機」のなかのライン上流域 など)
第3章 近世ドイツ帝国とフランス王国の境界域(三十年戦争と「エルザス譲渡」、ウェストファリア条約後の帝国諸都市とフランス王権、ストラスブール司教とマリ=アントワネットから見るアルザス など)
第4章 近代国民国家の周縁(ドイツ国民からフランス国民へ?、ナチス・ドイツの「併合地区」 など)
第5章 現代アルザスとその行方(戦後フランス共和国のなかで、政治意識の揺らぎと地域意識の回復 など)

著者略歴

著:安酸香織
北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了。北海道大学博士(文学)。専門は歴史学、近世ヨーロッパ史、アルザス地域史。
日本大学国際関係学部助教を経て、現在、北海道大学大学院文学研究院講師。
主な論文に「近世アルザスにおける紛争と秩序―シュトラースブルク司教領をめぐる訴訟(1682−1719)を事例に―」(『史学雑誌』第129編第11号、2020年)。

ISBN:9784866240954
出版社:教育評論社
判型:A5
ページ数:256ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2024年02月
発売日:2024年02月26日