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村上保きりがみ作品集

著:村上 保

紙版

内容紹介

懐かしくあたたかな昭和の情景。
村上保のきりがみ作品より116点を厳選して収載した作品集です。
シンガーソングライター、村下孝蔵のCDジャケットや新聞の連載など、多岐にわたるきりがみ作品の世界を存分にお楽しみいただけます。
昭和の香りに満ちた懐かしい情景の数々。
その時代を生きてきた人々には郷愁を、平成、令和世代の若者には新鮮なぬくもりを感じさせてくれるでしょう。


あとがき
収録した作品は1983年から2021年の間に、レコードやCD、雑誌、新聞に掲載された中の一部です。全て依頼元があって作ったもので、当然そこには依頼主の意図やコンセプトなどの制約があります。しかし今こうして振り返ると、制約は道標か線路のようで、むしろそれに助けられて長年続けられてきたような気がします。
「ディスクジャケット」の章に収録した絵は、渡された歌詞とカセットテープ(CD)の音源を聴きながら、そのイメージを絵にします、そこで制約らしきものはほとんどありませんでした。村下孝蔵のジャケットは聴いた時の切ない印象から、女性の心象風景のような絵が多くなったのですが、「レインブック」は風景が中心になりました。四季の風景が自然に浮かんでくるような美しいメロディだったからです。いずれも私のイメージを尊重して使っていただいたことに感謝しています。
「子どものいる風景PARTⅠ」は、「童謡の風景」(文・合田道人、中日新聞)の絵を担当していた時、同社発行の月刊誌「Clife」編集部の依頼で始めた連載です。ちょっと懐かしい風景というのがコンセプトで、小学生の頃の古いアルバムをめくるような10年間でした。その中から30点弱をピックアップしてあります。「PARTⅡ」は故郷愛媛で発行されている冊子に、「故郷の空」という通しタイトルで連載しているエッセイです。こちらは、故郷を偲ぶような内容をお願いしますというだけの依頼でした。その中から少しだけピックアップしましたが、連載は30年を超えましたが今も継続中です。
最後の「童門冬二さんの挿絵」は東京新聞と中日新聞に毎週連載された童門冬二氏のエッセイに添えた挿絵です。約6年続きました。毎週送られてくる原稿は、童門先生の歴史講義を受けているようで、原稿が待ち遠しい程でした。この作品集に収録するのは少し違和感もありましたが、愛着のある絵なのであえて載せることにしました。
最後に、この作品集を送り出してくださったKさんをはじめ、村下孝蔵の曲を全て手掛けてこられた、音楽プロデューサーの須藤晃氏には作品掲載に温かいご支援をいただきました。村下さんの故郷、水俣に初恋の少女像(25ページ)を設置した際には、西田弘志市長(当時)と市役所のみなさんにご尽力いただいたことを感謝とともに思い出します。そして、この作品集の編集に携わっていただいた、銀の鈴社の西野真由美様と編集部のみなさんに大変お世話になりました。ありがとうございました。
令和4年2月  村上保

目次

目次
はじめに/ディスクジャケット・村下孝蔵・レインブック/子どものいる風景PART1/子どものいる風景PART2/童門冬二エッセイの挿絵・「先人たちの名語録」ほか/掲載作品初出リスト/あとがき

著者略歴

著:村上 保
村上保(むらかみ・たもつ)
彫刻家・イラストレーター。1950年愛媛県生まれ。東京学芸大学卒業。1982年に最初の「きりがみ個展」銀座ギャラリー・ハヤマ(東京)。それ以降、フォーラムアートショップ(東京国際フォーラム)、銀座ソニービル(東京)、山荘画廊(愛媛)、さん太ギャラリー(岡山・山陽新聞社)ほかで個展。著書、共著に「イラストレーション入門」(日貿出版社)、「童謡の風景Ⅰ〜Ⅲ」(文・合田道人、中日新聞社)、「あそびの記憶」(文・楠木しげお、銀の鈴社)ほか共著、著書多数。
彫刻で文化庁派遣芸術家として英国留学。モダンアート展、鹿島彫刻コンクール等で受賞。第一生命保険ビル(東京)、愛媛県美術館、アートジーンギャラリー(英国)ほかに収蔵彫刻作品。著書に「村上保彫刻作品集Ⅰ」「同Ⅱ」(エキシビジョンスペースAPJ)ほかがある。

ISBN:9784866181318
出版社:銀の鈴社
判型:B5変
ページ数:96ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2022年03月
発売日:2022年03月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WFQ