著:黒沼 ユリ子
黒沼 ユリ子(くろぬま ゆりこ)
1940 年、東京生まれ。ヴァイオリニスト。小学5 年で全国学生音楽コンクール第1位ならびに文部大臣賞。桐朋学園高校1 年で日本音楽コンクール第1 位ならびに特賞を受け17 歳でNHK 交響楽団とデビュー、翌年ヨーロッパ留学。プラハ音楽芸術アカデミー在学中の60 年、プラハ現代音楽演奏コンクール第1 位。62 年プラハ交響楽団とヨーロッパ・デビュー。同アカデミーを首席で卒業後、著名な指揮者やオーケストラとニューヨークのカーネギーホールなど世界各地で共演。80 年、在住するメキシコで「アカデミア・ユリコ・クロヌマ」を開校、訪日演奏旅行で両国の友好を深める(アカデミアは2012 年閉校)。2014 年、引退リサイタルで御宿町への帰国移住を宣言。現在は同町に創設した「黒沼ユリ子のヴァイオリンの家・日本メキシコ友好の家」内のホールなどで室内楽コンサートを続けている。2009 年「旭日小綬章」叙勲。『メキシコからの手紙』『ドヴォルジャーク―その人と音楽・祖国』『のこす言葉――ヴァイオリンで世界から学ぶ』など著書多数。
絵:大西 三朗
大西三朗〔本名:良治(おおにし さぶろう)
1928 年、北海道夕張に生まれる。48 年、北海道第一師範学校卒業、50 年、招請されて東京都渋谷区立笹塚小学校に図工科専任教師として奉職する。在職中、当時の国家的スローガン「文化国家建設」に呼応して多発した「児童画公募展」や「学校劇コンクール」に入選を重ね、褒賞を多数獲得、「渋谷に笹小在り」の名声を高めるのにいささかの貢献をしたと自負している。赴任当初、その笹小に後年の世界的ヴァイオリニスト黒沼ユリ子くんが在学していたとは天の配剤か、好運の奇縁と言えよう。自由闊達に絵を描き、劇に出演して万雷の喝采を浴びるなど才気煥発の少女であった。
副業にイラストを描きはじめたのは渋谷区役所発注の広報からだった。杉並、世田谷、目黒も加わり、郵便局のPRイラストが大量に発注されるなど次第に教職との両立が至難となって68 年、フリーのイラストレーターとして自立した。日蔭に安住していたら、ある日、有名なヴァイオリニストが日の当たる場所に引っぱり出してくれた。まぶしくって面映ゆいので戸惑っている。(大西記)