清朝史叢書
海賊からみた清朝
十八~十九世紀の南シナ海
著:豊岡 康史
監:岡田 英弘
紙版
内容紹介
海から捉える清朝史。「叢書」待望の第二弾!
アヘン戦争以前の清朝は、鎖国ではなく、海上貿易に積極的に取り組む一方、頻発する“海賊”に苦しめられ、取り締まりなどの治安維持にも様々な対策を繰り出していた。海賊の活動を手がかりに、政策、軍事・防衛策、財政、国際関係などあらゆる側面から、18世紀末~19世紀初のシナ海域の歴史をつぶさにたどり、東方から世界につながる動きを見通す意欲作。
18世紀末、清朝東南沿海では海賊行為が急増し、浙江・福建・広東の各沿海域に大きな被害をもたらした。そして、「海賊」の存在は、清朝皇帝・官僚・商人・漁民・台湾開拓民のあいだで、さらにはベトナム、イギリス、マカオなど、さまざまな場で問題視された。なぜ海賊は突如出現したのか。海賊はなぜさまざまな人々から「問題」だと思われたのか。そもそも海賊とは誰だったのか。そして海賊は清朝東南沿海に何をもたらしたのか。本書は、当地の社会・経済・国際関係から海賊問題をめぐる諸利害を読み解き、18世紀から19世紀にかけての清朝東南沿海域の歴史的展開を示す。