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サステナブル・ミュージック

これからの持続可能な音楽のあり方

著:若尾 裕

紙版

内容紹介

私たちは音楽のヒューマニズムから自由になれるのだろうか?

明るく楽しい音楽はどこから来たのか?
なぜウケのわるい難しい音楽が創り続けられてきたのか?
なぜクラシック音楽がえらくなったのか?
なぜ巷には聞きたくないのに音楽が溢れているのか?
どうして芸術家が構想する社会改革は失敗に終わるのか?
なぜみんな音楽から遠ざかりはじめたのか?

─みんな、不要となった音楽の掟にわれわれがしばられているからだ。

音楽が多すぎる時代に、音楽を取り戻す。
『音楽療法を考える』やマリー・シェーファーの翻訳などで知られる
臨床音楽学の第一人者が、高度資本主義、グローバル社会における
「不自由」な音楽を問い直す自由でしなやかな感性による音楽論!

音楽によるヒューマニズムの押し売りに辟易しているあなたへ─

目次

はじめに
第一章 反ヒューマニズム音楽論
1-1 深く音楽をする
1-2 クラシック音楽という生政治
1-3 近代西洋音楽と生政治
1-4 ノイズ、ブルース、生政治
1-5 楽しい音楽
1-6 感情労働としての音楽
1-7 パイプダウン
1-8 これ以上、音楽を作る必要があるのか?
第二章 クラシック音楽という不自由さ
2-1 コンヴェンショナル・ウィズダム
2-2 三和音の帝国
2-3 ジョージ・ロックバーグの弦楽四重奏曲
2-4 感動ビジネスとしての音楽
2-5 耳の歴史
第三章 現代音楽は音楽を解放したか
3-1 難しい音楽はなぜ作られるのか
3-2 20世紀芸術の本質は落書きである
3-3 モダニスト・ケージ
3-4 デレク・ベイリー追悼
3-5 作曲家 コーネリアス・カーデュー
3-6 音楽は感染する
3-7 物語から離れて漂流する音たち
第四章 アウトサイダー・ミュージック
4-1 ニューロティピカル音楽
4-2 エロイカ交響曲
4-3 アウトサイダー・ミュージック
4-4 へたくそ音楽の系譜
4-5 スタッフベンダビリリ
4-6 国境なき音楽家団
4-7 ノヴァーリスの音楽的問題
第五章 サステナブル・ミュージック
5-1 ダークサイド・オブ・ミュージック
5-2 エコ思想は芸術には不要か
5-3 カルチュラルデモクラシー
5-4 サステナブルミュージック持続可能な音楽
5-5 参加型音楽と上演型音楽
5-6 音楽の禁止
5-7 あなたと奏でたい
音楽家ディオゲネス─あとがきにかえて

著者略歴

著:若尾 裕
1948年、東京生まれ、大阪育ち。現在は京都在住。1976年、東京芸術大学大学院音楽研究科作曲専攻修了。広島大学教育学部教授、神戸大学大学院発達科学研究科教授を経て、現在、神戸大学名誉特任教授および広島大学名誉教授。専門は臨床音楽学。主な著書に『奏でることの力』(春秋社)、『音楽療法を考える』(音楽之友社)、『親のための新しい音楽の教科書』(サボテン書房)。訳書にマーティン・クレイトン他『音楽のカルチュラル・スタディーズ』(アルテスパブリッシング)、デイヴィッド・グラブス『レコードは風景をだいなしにする』(フィルムアート社)、『フリープレイ―人生と芸術におけるインプロヴィゼーション』(フィルムアート社)などがある。

ISBN:9784865591668
出版社:アルテスパブリッシング
判型:4-6
ページ数:240ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2017年06月
発売日:2017年06月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AV