叢書ビブリオムジカ
「聴くこと」の革命
ベートーヴェン時代の耳は「交響曲」をどう聴いたか
著:マーク・エヴァン・ボンズ
訳:近藤 譲
訳:井上 登喜子
内容紹介
交響曲はなぜ偉大で崇高なのか?
音楽を聴くことはいつから真理の探究と等しい行為になったのか?──
1800年をまたぐ数十年間に、人々はそれまでとは違うやり方で音楽を聴き始める。
器楽曲は思想を伝え、真理を告げ、理想の国家を表象する媒体となった。
美学上の革命と社会革命とが合流を遂げたこの時代、聴衆の〈耳〉は交響曲に何を聴くようになったのか──。
ベートーヴェン時代の人々の感性に大胆にアプローチした画期的な音楽論。
現在もっとも注目を集める音楽学者ボンズの主著『Music as Thought』(2006)を、日本を代表する作曲家と気鋭の音楽学者が翻訳。
目次
序
プロローグ 思いがけない曲種──交響曲の興隆
第一章 想像力をもって聴くこと──美的関心の革命的変化
カントからホフマンへ
観念論、そして、知覚についての知覚の変化
観念論と聴取の新たな美学
第二章 思考としての聴取──修辞学から哲学へ
修辞学的枠組みにおける聴取
哲学的枠組みにおける聴取
哲学としての芸術
第三章 真理を聴く──ベートーヴェンの第五交響曲
無限なる崇高
認識としての歴史
意識と無意識の統合
有機的まとまり
崇高なるものを超えて
第四章 美的国家を聴く──コスモポリタニズム
交響曲、共同体の声
個人と社会の統合:差し迫った要求
有機的組織体としての国家
シラーの美的国家の思想
ゲーテの教育州
第五章 ドイツ国家を聴く──ナショナリズム
ドイツ・ナショナリズム
「ドイツ的な」曲種としての交響曲
音楽祭:演奏のポリティックス
民主制としての交響曲
エピローグ 形式を聴く──絶対音楽という避難所
略記一覧
注
訳者あとがき
参考文献
翻訳引用・参考文献
索引
ISBN:9784865591309
。出版社:アルテスパブリッシング
。判型:A5
。ページ数:336ページ
。定価:2800円(本体)
。発行年月日:2015年10月
。発売日:2015年10月24日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AVA。