<はじめに>
パブリック・フォークロアと自学/誰もがフォークロリスト/本書の構成/
パブリックを学ぶためのキーワード
I 〈わたし〉を世界から奪還する
●インフォーマル求道
「常識」を自己相対化し続ける/「主流にあるもの」から逃れられない〈わたし〉/
「傍流」からの視点/わたしたちの領域としての「ヴァナキュラーなもの」/
入り組んでいる「主流にあるもの」と「ヴァナキュラーなもの」/
「液状化」する価値観/学ぶ自由によるインフォーマルな学びへ/
インフォーマルな学びからパブリックな学びへ
●パブリック「人文道」
人文学を学ぶ意義/科学道と「人文道」/わたしの「人文道」修行〔1〕「熊文学」/
わたしの「人文道」修行〔2〕「公害病と文学」/「水際に帰る」思想/
人文学からの「自己形成」と「社会参加」
●〈わたし〉の生活史
何かをわかる過程における葛藤/〈わたし〉を含めて書くという実践/
オートエスノグラフィという記述法/個人の体験を「パブリックなもの」へ/
人生を生きることと一体化した記述へ
●自分ヒストリー
「社会科ぎらいの地域志向」/世界から「わたしたちの歴史」を取り返す/
研究者が地域住民とともに描く地域文化/
行政対市民・研究対実践といった「誤りの二元論」/
パブリック・フォークロアの実践/地域づくりのボトムアップな活動へ
●課題1:わたしの「人文道」―人生の一作品で自己紹介―
II パブリック・フォークロア実践
●文化財レスキュー
民具と現代を生きるわたしたち/ミセレイニアスなコレクションの意義/
東日本大震災とレスキューされた地域資料/現地でのレスキュー作業からクリーニングまで/
プロと学生のコラボ―脱塩作業と二酸化炭素殺虫処理―/
見えてきたコレクション―復元作業と目録台帳整備―/
文化財レスキューから復興キュレーションへ
●誰もがレスポンダー
「ライフ」への視点/レスポンダーとしてそこにいる/
地域文化を生きる人々のエージェンシー
●復興キュレーション
復興過程でともに描くパブリック・ヒストリー/
ミュージアム連携と地域文化の掘り起こし/
複数館でネタを持ち寄る展覧会/市民の視点からのテーマ設定と活動
●ビルド・バック・ベターを目指して
文化財レスキューからミュージアムの文化へ/
復興キュレーションをもとにした常設展示/年中行事と家庭の食文化の展示/
「より良い復興」と文化創造
●課題2:民具コレクション活性化計画―新・生活改善運動―
III シチズンシップのための自学
●LLLプラットフォーム
ラングランによる生涯教育の提唱/日本におけるパブリックな学びの展開/
学習権と生涯学習/秘められた宝
●子どもワークショップ・プランニング
生活世界からの学び/学校教育における民具の活用/生きる力と地域学習/
児童と大学生による地域調べ/学びのツールとしての民具
●キュレーターズ・マインド覚醒
キュレーターズ・マインドを装備する/博物館と現代社会/地域博物館の時代/
活動が連携を促す/ICOMの博物館の定義の更新/博物館法改正による機能強化/
これから求められる博物館像
●学ぶわたしのエージェンシー
坂本龍一の学びに学ぶ/フォーマルな学びとインフォーマルな学びの狭間で/
学ぶ主体としてのエージェンシー/学びと仕事との往還によるキャリア形成/
わたしの「栄養成分表示」
●課題3:わたしの「栄養成分表示」―自己形成の95%―
●課題4:ミュージアムのコラボ企画―市民連携の企画書作成―
<あとがき>
各章を深める一冊、関連論文