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スポーツ・健康と現代社会

編:武蔵野美術大学身体運動文化研究室
他著:青沼 裕之
他著:森 敏生

紙版

内容紹介

スポーツの力を使って、世界の国々と地域をつなぎ、個々の健康と社会を考える。

私たちが直面しているスポーツと健康に関する問題は、現代社会に生じる問題と複雑に絡み合っている。スポーツは個人的な自由な活動であると同時に、社会的に公共性をもった活動でもあるからだ。「スポーツと文化」「スポーツと現代政治」「現代社会と健康」「スポーツ・身体運動文化の学習方法」の構成により諸問題を照射する。

目次

はじめに

第1章 スポーツと文化

1 スポーツと身体運動文化
  1 スポーツというコトバをめぐって
  2 身体運動文化というコトバの提案
2 スポーツの構造
  1 スポーツの本質を考える
  2 スポーツの構造的把握
3 スポーツとメディア
  1 スポーツとメディアの互恵的関係
  2 「みるスポーツ」と「メディアスポーツ」
  3 スポーツとメディアの複合的関係
  4 メディアスポーツのあり方
4 スポーツ競技力と技術革新
  1 スポーツの競技力をどう捉えるか
  2 スポーツにおける技術革新
  3 スポーツにおける技術革新の問題性
5 スポーツと人権、平和
  1 オリンピック憲章とオリンピック・ムーブメント
  2 暴力に翻弄されるオリンピック
  3 平和学における平和・暴力概念
  4 国際的スポーツ法規の理念
6 スポーツと芸術(アート)
  1 芸術競技
  2 オリンピック開会式
  3 文化プログラム
  4 スポーツとデザイン
  5 スポーツと芸術

第2章 スポーツと現代政治

1 政治のなかのスポーツ、スポーツのなかの政治
  1 本章の課題
  2 スポーツ振興のための政治展開の事例
  3 スポーツの積極的政治利用の事例
  4 スポーツの否定的政治利用の事例
  5 複雑、多様なスポーツの政治利用
  6 スポーツ研究から見たスポーツと政治
2 スポーツ政策とは何か
  1 スポーツ政策研究の登場
  2 形成期のスポーツ政策
  3 1970年代以降のスポーツ政策研究の課題意識
  4 スポーツ政策の概念規定
  5 今日のスポーツ政策とスポーツ運動
3 現代日本のスポーツ政策の展開
  1 臨時教育審議会第3次答申以降のスポーツ政策
  2 スポーツ振興基本計画の策定
  3 自民党「スポーツ立国ニッポン」の公表
  4 民主党「スポーツ立国戦略」の公表
  5 民主党の成長戦略重視とスポーツ政策軽視
  6 スポーツ基本法の制定―意義と課題
  7 スポーツ基本計画の策定―概要と問題点
  8 地方スポーツ推進計画の事例検討
  9 2014(平成26)年度文部科学省スポーツ関係予算の特徴
  10 文部科学省と地方自治体のスポーツ関係予算の推移
  11 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の
     大会開催基本計画
4 スポーツ政策はいかに策定されるべきか
  1 現実のスポーツ政策
  2 あるべきスポーツ政策の考え方

第3章 現代社会と健康

1 健康とは何か
  1 WHOによる健康の定義
  2 日本人の平均寿命と健康寿命
  3 健康寿命
  4 日本人の死因
2 現代社会と健康政策
  1 現代人の生活と健康
  2 国民の健康と医療費抑制に向けた政策
3 エイジングと健康
  1 エイジング(aging)とは
  2 健康寿命と平均寿命
  3 骨粗鬆症
  4 ロコモティブシンドローム
4 身体の仕組みと機能
  1 身体活動の仕組み
  2 身体活動における酸素の利用
  3 骨格筋の仕組みと筋線維タイプ
  4 筋収縮のエネルギー
  5 最大筋力の心理的限界と生理的限界
5 形態・体力とその測定法
  1 体力
  2 行動体力における形態と機能
  3 文部科学省の新体力テスト
  4 新体力テストが測定する体力・運動能力
  5 身体組成の測定と評価
6 運動と健康
  1 運動を始める前に
  2 効果的に運動をするための基本原則
  3 運動開始の手順
  4 運動の実際
  5 ウォーミングアップとクーリングダウン
  6 運動中の水分補給の目安
7 栄養・食生活と健康
  1 なぜ食べるのか
  2 日本人の食生活
  3 カルシウムと骨
  4 メタボリックシンドローム
  5 日本人の食生活指針:食事バランスガイド
8 休養・睡眠
  1 睡眠と健康の維持・増進
  2 睡眠とは
  3 睡眠障害
  4 良質な睡眠
  5 まとめ
9 安全対策と応急手当て
  1 安全とは
  2 ハインリッヒの法則と正常化の偏見
  3 安全対策の3つの柱
  4 安全対策としての事故分析1
  5 応急手当て

第4章 スポーツ・身体運動文化の学習方法

1 学習方法の基礎となる考え方
  1 学習と練習
  2 当該スポーツの特質を考える
  3 練習の組み立て方
  4 練習のねらい・課題や方法を明確にする
  5 技術が上達していく筋道
  6 グループで学習するということ
2 ゴール型ゲームの技術・戦術学習
  1 ゴール型ゲームとは
  2 ゴール型ゲームの戦術学習
  3 コンビネーションの重要性
  4 ゲームに生きる練習を
3 ネット型スポーツの技術・戦術学習
  1 はじめに
  2 ネット型スポーツの近代化
  3 ネット型スポーツの技術・戦術の特徴
  4 硬式テニスの学習計画
4 ターゲット型ゲームの技術・戦術学習
  1 はじめに
  2 ゴルフの起源
  3 ゴルフの一般的特性
  4 他のスポーツにはないゴルフの特徴
  5 上手になるための基本チェックポイント
  6 通信教育スクーリングでの授業事例
5 打撃・進塁型ゲームの技術と戦術学習
  1 はじめに
  2 野球とソフトボールの主な違い
  3 上手になるための練習法
6 ダンスの指導と学習
  1 はじめに
  2 フラメンコ : flamenco
  3 エチュード

 あとがき

著者略歴

他著:青沼 裕之
1958年生まれ。筑波大学大学院体育科学研究科(博士課程)単位取得満期退学。専攻はイギリススポーツ史、スポーツ政策・運動論。著書に『近代ヨーロッパの探求8 スポーツ』(共著、ミネルヴァ書房、2002年)、『幻の東京オリンピックとその時代』(共著、青弓社、2009年)、『体育・スポーツの近現代』(共著、不昧堂、2011年)、論文に「苦悩するノエル=ベーカー ―1936年ナチ・オリンピックへの抵抗―」(一橋大学「人文・自然研究」第2号)、「『スポーツに参加する権利』のための闘い ―1930年代ロンドンの組織的日曜フットボール運動―」(一橋大学「人文・自然研究」第4号)、「第2次世界大戦下のBWSAと亡命SWSI ―国際労働者スポーツ運動の戦後再建に向けて―」(一橋大学「人文・自然研究」第6号)など。武蔵野美術大学教授。
他著:森 敏生
1959年生まれ。広島大学大学院教育学研究科修了(教育学修士)。姫路獨協大学講師・助教授を経て、2006年に武蔵野美術大学に着任、現在に至る。専門分野は体育教育学。研究テーマは、体育教育におけるカリキュラム編成の原理と方法。著書に『体育科教育の研究』(共著、六甲出版、1994年)、『スポーツを知る・する・考える』(共著、不昧堂出版、1995年)、『スポーツ教育と実践』(共著、創文企画、1998年)、『教師と子どもが創る体育・健康教育の教育課程試案 第1巻』(共著、創文企画、2003年)、『体育実践とヒューマニズム』(共著、創文企画、2004年)、『中村敏雄著作集4 部活・クラブ論』(編著、創文企画、2009年)。武蔵野美術大学教授。

ISBN:9784864630276
出版社:武蔵野美術大学出版局
判型:A5
ページ数:240ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2015年04月
発売日:2015年03月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:SC