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東北日本の旧石器時代

編:東北日本の旧石器文化を語る会

紙版

内容紹介

「東北日本の旧石器文化を語る会」は30年以上にわたって、東北日本の各地で行われてきた発掘調査や研究成果を発信し続けてきている。蓄積された調査研究成果から、本地域の石器群の地域的な特徴とともに、その多様性や他地域との関係性がわかってきた。本書は東北日本の資料を主に取り上げ、前期旧石器時代から縄文時代草創期までについて、自然環境、編年、型式と技術、機能、石材研究などのテーマ別にまとめている。最新の資料や研究方法に基づく研究に加えて、広域的な視点や「ミドルレンジセオリー再論」などの理論的枠組みから、本地域の石器群の再検討や新たなる視点の構築し、東北日本の旧石器時代の実像に迫る。

目次

 序 「東北日本の旧石器文化を語る会」30年の歴史…… 柳田俊雄・渋谷孝雄・山田晃弘・藤原妃敏
第1章 旧石器人をとりまく自然
 1.日本列島の更新世人類化石…… 奈良貴史
 2.旧石器時代から縄文時代草創期における東北日本の植生史研究と課題…… 吉川昌伸
 3.旧石器時代の動物考古学をめぐる諸問題…… 澤田純明
第2章 編年の基準と方法
 1.東北日本における後期旧石器時代編年 ―課題と展望―…… 沢田 敦
 2.長者久保遺跡と大平山元Ⅰ遺跡における放射性炭素年代の研究史的意義…… 川口 潤
 3.岩手県における旧石器時代から縄文時代草創期に相当する石器群の変遷と分布…… 村木 敬
 4.福島県浜通り地方の旧石器時代研究の現状と課題
   ―大谷上ノ原遺跡と荻原遺跡の石器群を中心に―…… 門脇秀典
 5.新潟県樽口遺跡出土石器群の再検討…… 立木宏明・吉井雅勇・沢田 敦
第3章 石器のかたちの理解
 1.旧石器研究における「かたち」の理解 ―タイポロジーから「状況」の理解へ―…… 鈴木 隆
 2.東北日本の旧石器製作技術研究の展望と課題―型式学的技術研究から石器技術学研究へ―…… 大場正善
 3.有舌尖頭器の起源 ―ピリカ型の提唱―…… 長井謙治
 4.尻労安部洞窟出土台形石器の所属年代についての再検討…… 渡辺丈彦
 5.米ヶ森型ナイフ形石器再考 ―いわゆる杉久保型と東山型のはざまで―…… 石川恵美子
 6.頁岩製石刃の製作遺跡と消費遺跡に関する形態学的研究―山形県域の遺跡間比較から―…… 熊谷亮介
第4章 前期と後期の境界
 1.前期旧石器研究と東北日本…… 小野章太郎
 2.上屋地遺跡B地点出土石器群の石器技術学的再検討…… 会田容弘
 3. 東北日本における旧石器時代前期から後期へ移行する石器群…… 柳田俊雄
 4.米ヶ森型台形石器と台形剥片 ―秋田市下堤G遺跡の分析から―…… 神田和彦
 5.東北地方における後期旧石器時代前半期石器群の再考
   ―福島県笹山原No.16遺跡出土の基部加工石器を中心に―…… 洪 惠媛
第5章 資源としての石材
 1.珪質頁岩原産地における石器を含む砂礫層…… 秦 昭繁
 2.山形県内から出土した旧石器時代から縄文時代草創期の
   黒曜石製石器の産地同定とその意義…… 渋谷孝雄・佐々木繁喜
 3.中部地方北部における後期旧石器時代の石材利用―黒曜石の動態に関する検討―…… 加藤 学
 4.福井洞穴出土安山岩製石器の技術的検討
   ―第3次発掘調査における層位的出土事例をもとに―…… 梅川隆寛
第6章 痕跡学とその応用
 1.旧石器の機能研究の成果と展望 ―東北日本の事例を中心に―…… 鹿又喜隆
 2.九州地方の後期旧石器時代使用痕研究…… 寒川朋枝
 3.旧白滝3遺跡の使用痕分析―広郷型細石刃核石器群のめのう製石器を対象として―…… 鈴木宏行
 4.東北日本における遺跡形成過程研究…… 傳田惠隆
第7章 概念・理論・視点の再考
 1.北アジアにおける細石刃技術の出現過程をめぐって…… 髙倉 純
 2.湧別技法による細石刃の形態と製作技術研究―函館市石川1遺跡出土資料の再評価―…… 青木要祐
 3.東北地方の「北方系細石刃石器群」をめぐって…… 佐久間光平
 4.「渡来石器」の時間的位置づけとその評価…… 橋本勝雄
 5.ミドルレンジセオリー再論 ―ビンフォードの遺産と東北旧石器―…… 阿子島香

 あとがき
 編者・執筆者一覧

ISBN:9784864451031
出版社:六一書房
判型:B5
ページ数:528ページ
定価:8500円(本体)
発行年月日:2018年06月
発売日:2018年06月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ