戎光祥近代史論集 3
江戸東京移行期論
東都から帝都へ
編:大石学
編:落合功
紙版
内容紹介
近世における江戸と近代における東京はともに、政治的にも経済的にも中心となる都市であった。本書はこれら江戸・東京と周辺地域に着目し、その成立と発展の様子を史料から具体的に明らかにするとともに、江戸・東京の接続を目的としている。江戸から東京において何が変化し、何が変わらなかったのかを、各論者のテーマごとに検討していく。
目次
第1部 江戸東京論の視角
Ⅰ 「江戸東京学」の新たな視座
Ⅱ 江戸から東京へ――研究の流れと本書の課題
第2部 江戸東京周辺の地域構造
Ⅰ 徳川家康の御成と遺書・遺物――「江戸周辺論」によせて
Ⅱ 「江戸町続」地域の形成過程と江戸・東京――『江戸周辺の社会史』をきっかけとして
Ⅲ 将軍御成と視覚的支配――寛政期遠御成をめぐる視線の分析から
Ⅳ 近世後期における江戸周辺地域の家作利用と生業
Ⅴ 幕末期、江戸近郊農村における造醤油業と江戸問屋仲間
Ⅵ 江戸上水から改良水道、そして大東京水道へ
第3部 江戸から東京への移行と変容
Ⅰ 明治初期東京の公共負担
Ⅱ 幕末維新期の江戸・東京における名主の社会的位置
Ⅲ 山王祭・神田祭をめぐる構造的変化と意義
Ⅳ 近代移行期における江戸城郭――河岸地政策の影響と「外濠空間」の変容
Ⅴ 明治十年代東京における区会議員選挙と地域――部を切り口にして