第一部 認知特性を考慮に入れた指導の必要性
1章 認知特性とは
(1)「聴覚優位・視覚優位型」と「継次処理・同時処理型」
(2)認知特性を考慮に入れた指導の必要性
(3)石川倉次と認知特性
(4)「言語優位」と関わって
(5)「言語優位」と「9歳の壁」
(6)概要呈示の重要性
2章 自分の認知特性を考えてみよう
(1)自分の認知特性を考えてみるための問題
(2)各設問について
3章 認知特性の把握の難しさ
(1)本田(2012)に関する筆者の調査より①
(2)本田(2012)に関する筆者の調査より②
4章 認知特性と学習
(1)都築ら(2016)より
(2)PASS理論を用いた研究より
(3)「脳内ボード」と「短期記憶」「長期記憶」「ワーキングメモリ」の関係
(4)「虫の視点」・「鳥の視点」による思考・記憶
(5)聴継型と視同型の違いのまとめ
5章 第二部に入る前の留意事項
(1)単純に決めつけないこと
(2)視同型を聴継型に変えようと思わないこと
(3)言語処理能力の獲得を大切に考えること
(4)うまくいかないとき,他の方法を考える力を身につけること
第二部 認知特性の特徴と指導例
6章 情報処理に関わって
(1)認知特性と情報処理
文章の読み方/混同しやすい語/記憶しやすい情報/文章の受信/ある 語や文に接したとき、何を思い浮かべる
か/「脳内ボード」/参照の仕 方/矛盾の理解
(2)情報の特徴に配慮した指導例
説明や修正の仕方/漢字のもつ力を利用した修正/単語の意味の指導/別の解法の紹介/アドバイスの仕方
/思考(時計の読み方)/解決方法(「多い」「~倍」文)/解決方法(やりもらい文を使った文章題)/複数の
公式の扱い①(公式を絞れる場合)/複数の公式の扱い②(公式を絞れない場合)/公式の届け方/資料の作り方
7章 指導の順序や「全体と部分」に関わって
(1)認知特性と指導の順序(全体/部分との関連)
「部分」と「全体」の関連/紙芝居やマンガにおける登場人物の位置関係
(2)指導の順序(全体/部分との関連)に配慮した指導例
1時間の授業づくり:「山場」の越え方/授業と授業の接続(宿題の意味)/各単元への時間の配分/学年対応の
教科学習/新出語や結論を出すタ イミング/指導順序/指導の仕方/「知覚的判断」から「論理的・言語 的思考」
への移行/演繹法と帰納法
8章 生徒指導に関わって
「自分の思い」と「相手の思い」の対等化/「人の振り見て我が振り直せ」/自己客観視
/「来し方」と「行く末」/相手の心情や道義的責任の理解/抽象的な文と抽象的な文の対照
第三部 認知特性を考慮に入れた指導の具体例
9章 日本語指導の具体
(1)「内在的把握」と「外面的把握」
1)「あげる」文の理解/2)「くれる」文の理解/3)「したい」と「したがる」の違いの理解/4)「主語と結びつ
いた動詞」と「主語不在の動詞」/5) 自動詞と他動詞の使い分け/6)俳句や物語の理解/7)ことわざの理解
(2)具体的な指導例
1)助詞の微妙な使い分け方の説明/2)日本語を早く意識的に取り込ませるために/3)漢字のメリットとデメリ
ットを配慮に入れた説明/4)いろいろな事柄との関連(語彙ネットワーク)を考える力の必要性/5)授受構文
の理解/6)「~たい」「~たがる」の理解/7)「隠された主語」を考えた文章づくり/8)複数の意味にとれる文
章の書き換え/9)「名詞 中心文」と「動詞中心文」/10)「~と思う」の意味/11)「汎用力」や「前提条件を考
慮に入れる力」/12)説明文や解説の作成に際して、筆者の留意事項
10章 高校の範囲の数学の指導の具体例
(1)高校数学Ⅰ「2次関数」
1)式を見て原型をどのように移動させるかを理解させる/2)グラフの原型がかけるようにさせる/
3)式を見てグラフがかけるようにさせる/4)頂点の座標を求めるための平方完成の指導
(2)高校数学Ⅰ「三角比」
(3)高校数学A「順列と組合せ」
1)順列の導入/2)組合せの導入/3)順列と組合せが混じった問題が解けるようにさせるために
(4)高校数学A「互除法」 1)「互除法」の導入/2)「互除法」の説明
(5)高校数学A「不定方程式」
補章 認知特性の数値化の難しさ
文献
あとがき