第1章|疑問|交流及び共同学習への率直な問い
1 「交流及び共同学習」と名付けていいのか?
2 特別支援学級の子どもの「生きる力」に結びついているのか?
3 通常学級の子どもの「豊かな人間性」は育まれているのか?
(1)通常学級担任の立場で
(2)通常学級の子どもたちの立場で
(3)誤解や偏見を避ける
4 学校教育は「やまゆり園事件」「障害者差別」にどこまで向き合っているのか?
第2章|提案|新たな交流及び共同学習 ―特別支援学級に「招く交流」―
1 交流及び共同学習の目的
2 交流及び共同学習の多様な形態
(1)支援学級の子どもが通常学級に「行く交流」の場合
(2)通常学級の子どもを支援学級に「招く交流」の場合
(3)その他の形態
3 提案 ―通常学級の子どもを特別支援学級に招く交流及び共同学習―
(1)「招く交流」とは? ─ある実践事例から─
(2)ポイントの確認
第3章|実践|交流及び共同学習の具体的展開・そのポイント
実践例(1) 単元「開店!手作り餃子の店『ひかり亭』」
実践例(2) 単元「妖怪ランドで仲よく遊ぼう!」
実践例(3) 「緑化フェア」にプランターカバーを出品しよう
◇コラム◇「人と人とのつながり」
第4章|検証|交流及び共同学習の分析と評価
小学校における効果的な交流及び共同学習の在り方についての一考察
―通常学級を支援学級の活動に「招く交流」の授業実践を通して―
第5章|要点|特別支援学級に「招く交流」10の実践ポイント
★ Point 1 支援学級の実践の充実と発展こそ ―教育課程と時間割―
★ Point 2 誰でも楽しい・やりがいある活動であること
★ Point 3 誰もが取り組みやすい活動であること
★ Point 4 対等性・協働性を大切にできる活動の用意
★ Point 5 「支援の多様性」と「公平性」
★ Point 6 「単元化」による「主体的・対話的で深い学び」
★ Point 7 教科等横断的な視点に立った学習活動であること
★ Point 8 「招く交流」で通常学級担任の負担感・不安感を減らす
★ Point 9 障害者理解教育との一体的な取組の必要性
★ Point10 保護者・地域との協働への発展として
第6章|現実|共生社会を形成できるのか?
1 「内なる差別・偏見」と学校教育
(1)「自分事」として考える
(2)『障害者殺しの思想』
(3)改めて、やまゆり園事件から
2 「人間性等の涵養」と学校教育
(1)「育成を目指す資質・能力」とやまゆり園事件
(2)「自己責任」という無責任
(3)「努力は報われる」と「人間性等の涵養」
(4)「できなさ」「弱さ」への寛容性
3 「共に生きる」難しさと学校教育
(1)「多様性とその尊重」とは何か?
(2)「不便」「迷惑」の受け止め?
(3)「共に生きる」思潮の国際的な高まり
(4)人権と基本的自由 ―「障害者権利条約」―
(5)社会の成熟度の指標として
4 「共に生きる」豊かさと学校教育
(1)「不便性」と「支援」
(2)通常学級ユニバーサルデザイン
(3)様々なユニバーサルデザイン
(4)人間存在の絶対性と無条件性
(5)「共に生きる」と日本国憲法
◇コラム◇「本気になれる活動」を共にする
第7章 試論 共生社会の形成をめざす障害者理解教育 ―5つの提案―
|提案1| 交流及び共同学習と障害者理解教育の一体的推進と年間計画への位置付け
(1)障害者理解・人権教育と学習指導要領
(2)改めて、その方向性は?
|提案2|子どもの感覚・感情を大切にする
(1)感覚的・生理的な違和感を受け止めて
(2)感情的な違和感 ―「ズルイ」「えこひいき」―
(3)使命感や同情する気持ち
|提案3|自己理解・他者理解 ―自分の「強さ」「弱さ」そして「寛容性」―
(1)「いいとこみつけ」と「弱さ」の受け止め
(2)「困っても助けてもらえる」安心感
|提案4|環境要因(人・もの・生活・社会)との関係で考えること
(1)環境・社会・人の関係との相互作用に気づく
(2)「障害者基本法」の意義
|提案5|多様性の尊重 ―「違う」を受け止める―
(1)「不公平」「不平等」と学校の現実
(2)「違っていい」という文化
(3)「違う」支援があるからこそ「平等・公平」になる
(4)私たち教師の姿勢・思いとして