序章 〈合法性〉における正当性と剝き出しの生──ジョルジョ・アガンベンとシェルドン・ウォリンとの対話
今日的意義(アクチュアリティ)──アガンベンとウォリンとの対話
アガンベンの問い──「例外状態」の統治術としての常態化における「剥き出しの暴力/生」
ウォリンの問題提起──民主主義と「福祉国家理性」における「宙ぶらりんの周縁化された人々」
第一章 「シュミット問題」が投げかけるもの──「歴史学」の一つとしての政治思想史研究をめぐる一考察
第一節 問題の所在と本章の狙い
第二節 クヴァーリチュによる問題提起──「ボダン問題」と「シュミット問題」
第三節 クヴァーリチュによるシュミット再評価の「陥穽」──「現在認識」(Gegenwartserkenntnis)をめぐって
第四節 近代歴史学から現代歴史学への「パラダイム転換」──「歴史学」としての政治思想史研究
第五節 小括
第二章 〈合法性〉をめぐる二つの次元──法と政治の間についての一試論
第一節 問題の所在と本章の狙い
第二節 法と国家をめぐる歴史的な〈現在〉
第四節 法と法律の間──〈生成する法〉と〈制定される法律〉
終わりに
[補論] 〈合法性〉の空洞化──一九二〇年代のドイツにおける経済の独占化過程と議会外立法様式
第一節 本章の射程と狙い
第二節 経済的社会的領域における独占化過程とその政治的影響
第三節 議会主義的〈合法性〉の衰退──指標としての立法権の三形態
第四節 裁判所の政治的性格
第五節 結びにかえて
第三章 〈合法性〉と〈状況適合的擬似合法性〉の間──「パーペン・クーデター」事件から「国事裁判」へ
第一節 問題の所在と本章の課題
第二節 「パーペン・クーデター」事件の経緯
第三節 「プロイセン対ライヒ」裁判の概要
第四節 本事件をめぐる開廷前のシュミットとヘラーの論争
第五節 小括──「事件」から「裁判」へ
第四章 「プロイセン対ライヒ」裁判におけるカール・シュミットとヘルマン・ヘラー──法廷での対決をめぐって
第一節 本章の位置づけと狙い
第二節 第Ⅱ章「一九三二年七月二〇日以前、及び、七月二〇日の事実経過」(S. 11-86)におけるヘラーとシュミット
第三節 第Ⅴ章「第四八条第一項の諸要件」(S. 124-193)におけるシュミットとヘラー
第四節 第Ⅵ章「第四八条第一項の諸権限」(S. 194-285)におけるヘラー
第五節 第Ⅶ章「第四八条第二項の諸要件」(S. 286-300)におけるシュミットとヘラー
第六節 第Ⅷ章「第四八条第二項の諸権限」(S. 301-365)におけるシュミットとヘラー
第七節 第Ⅸ章「裁判所の事後審査:相対的限界」(S. 366-391)におけるヘラー
第八節 第Ⅹ章「総括」(S. 393-414)におけるヘラー
第九節 第XI章「訴訟要件」(S. 415-477)におけるヘラーとシュミット
第一〇節 法廷におけるシュミットとヘラーの対決──審理過程全体を振り返って
第五章 「プロイセン対ライヒ」裁判での「弁論」の背景をなす議論連環──シュミットの「独立した権限規範」とヘラーの「政治的意図」をめぐって
第一節 本章の位置づけと狙い
第二節 シュミットの「法廷弁論」の背景に横たわる議論連環
第三節 ヘラーの「法廷弁論」の背景に横たわる議論連環
第四節 ボダン解釈をめぐるシュミットとヘラー
第五節 結びにかえて──〈合法性〉の陥穽