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周恩来たちの日本留学

百年後の考察

著:王 敏

紙版

内容紹介

日中の交流は遣隋・遣唐使以来、留学の歴史ともいえる。いま相互交流のかたちで若い日本人、中国人が学んでいる。中国で学ぶ日本人の留学生は現在(2014年末)1万7000人。日本で学ぶ中国人留学生のほうが多くて現在8万人という。中国人の日本留学生が増えた背景として歴史的な事情のあることはいうまでもない。19世紀末にさかのぼって清国の若者たちが日本への留学のレールを敷いた明治期を見逃せない。当時の資料などを検証するにつれ日本側の懸命の努力が浮かび上がってくる。

目次

目 次

序論

・百年後の検証・中国人の日本留学と日本観 王 敏
─法政大学清国留学生法政速成科などの事例を中心に─

第一部 法政大学清国留学生法政速成科の事例を中心に

・辛亥革命と中国の日本留学 王 敏
─法政大学清国留学生法政速成科に関する一考察─
・梅謙次郎と法政大学速成科の創設 陳 健(翻訳:相澤 瑠璃子)
・范源廉と「清国留学生法政速成科」 臧 佩紅
・日本滞在時期における章士釗 周 曙光
─その活動を中心に─
・周恩来と法政大学 王 敏
・『速成科講義録』から鍔州約法への影響 馮 天瑜
・法政大学(日本)蔵『速成科講義録』の学術的価値について 陳 健(翻訳:相澤 瑠璃子)
・漢文月刊雑誌『東洋』に関する一考察 蘭 一博

第二部 日本研究の現状と変容

・昭和維新運動とアジア主義 筒井 清忠
・韓国における日本観の変容 徐 賢燮
・台湾における日本研究の現状と展望 于 乃明
─政治大学を中心に─
・中国人の「外国認識」の現状図 江 暉
─八か国イメージ比較を通じて日本の位置づけに焦点を当てて─
・中国でなぜ、漱石が読まれるのか 王 敏
─「同時代」思考及びその産出を課題に─
・日本における禹王信仰の覚書 王 敏

終論

・日中異文化理解のために 王 敏
─儒教思想からのアプローチ─

著者略歴

著:王 敏
1954年中国・河北省承徳市生まれ。大連外国語大学日本語学部卒業、四川外国語学院大学院修了。宮沢賢治研究から日本研究へ、日中の比較文化研究から東アジアにおける文化関係の研究に進む。人文科学博士(お茶の水女子大学)。法政大学教授、上海同済大学客員教授。早稲田大学や関西大学などの客員教授を歴任。「文化外交を推進する総理懇談会」や「国際文化交流推進会議有識者会合」など委員も経験。現在、日本ペンクラブ国際委員、かめのり財団理事、朝日新聞アジアフェロー世話人など。
90年に中国優秀翻訳賞、92年に山崎賞、97年に岩手日報文学賞賢治賞を受賞。2009年に文化庁長官表彰。
主著:『日本と中国 相互誤解の構造』(中公新書)、『日中2000年の不理解─異なる文化「基層」を探る』(朝日新書)、『謝々! 宮沢賢治』(朝日文庫)、『宮沢賢治、中国に翔る想い』(岩波書店)、『宮沢賢治と中国』(国際言語文化振興財団)、『日中比較・生活文化考』(原人舎)、『中国人の愛国心─日本人とは違う5つの思考回路』(PHP新書)、『ほんとうは日本に憧れる中国人─「反日感情」の深層分析』(PHP新書)、…

ISBN:9784862511874
出版社:三和書籍
判型:A5
ページ数:408ページ
価格:4800円(本体)
発行年月日:2015年09月
発売日:2015年09月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNM