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古代渡来文化研究 2

古代日本と渡来系移民

百済郡と高麗郡の成立

編:須田 勉
編:荒井 秀規

紙版

内容紹介

古代の日本には、朝鮮半島で滅亡した百済と高句麗の両国から多くの移民が渡来してきた。最後の百済王の王子らは摂津国難波に居した後に河内国交野郡に本拠を移し、高句麗の移民は坂東諸国とその周辺国に移配された後に武蔵国に集結して高麗郡が建てられたという。本書では、高度な技術と文化をもつ渡来系移民の実態がどのようなもので、古代日本の中で期待された役割には何があったのかを、文献史学と考古学の双方から鋭く切り込んでいく。

目次

   第Ⅰ部 難波と河内の百済人
百済王氏と百済郡、高麗王氏・肖奈王氏と高麗郡…………田中史生(早稲田大学教授)
摂津国百済郡をめぐる諸問題…………………………………古市 晃(神戸大学教授)
難波百済寺と百済王氏…………………………………………網 伸也(近畿大学教授)
四天王寺の伽藍造営からみた難波の地域的特性……………谷﨑仁美(龍谷大学非常勤講師)
河内百済寺の創建年代…………………………………………上原眞人(辰馬考古資料館館長)
百済寺跡の調査と整備のあゆみ………………………………松野元宏(枚方市文化財課)
百済王氏の交野転拠と禁野本町遺跡…………………………西田敏秀(京都橘大学非常勤講)
遺跡から見た平安時代における百済王氏の動向……………竹原伸仁(枚方市文化財課)

   第Ⅱ部 武蔵のなかの高麗郡
古代高麗郡の建郡と手工業生産………………………………須田 勉(元国士舘大学教授)
〈コラム〉高麗錦………………………………………………赤木隆幸(日本高麗浪漫学会理事)
古代武蔵国高麗郡の建郡に関する諸問題……………………宮瀧交二(大東文化大学教授)
高麗(肖奈)福信の出生地と在地社会………………………加藤恭朗(国際文化財㈱)
〈コラム〉拾石遺跡の国字「辻」の墨書土器………………荒井秀規(明治大学講師)
武蔵国高麗郡とその周辺地域…………………………………富元久美子(飯能市教育委員会)
高麗郡建郡過程の考察…………………………………………平野寛之(川越市立博物館)
瓦からみた武蔵国高麗郡の寺院………………………………坂野千登勢(埼玉大学非常勤講師)
〈コラム〉たかが一点、されど一点…………………………須田 勉

著者略歴

編:須田 勉
須田 勉(すだ つとむ)
1945年生れ、元国士舘大学教授。博士(文学:早稲田大学)
[主な著書・編著書]
『古代の信仰と社会』(六一書房)、『古代東国仏教の中心寺院・下野薬師寺』(新泉社)、『国分寺の創建-思想・制度編-』(吉川弘文館)、『国分寺の創建-組織・技術編-』(吉川弘文館)、『日本古代の寺院・官衙造営-長屋王政権の国家構想-』(吉川弘文館)、『東国の古代官衙』(高志書院)、『日本古代考古学論集』(同成社)、『国分寺の誕生-日本古代の国家プロジェクト-』(吉川弘文館)
編:荒井 秀規
荒井秀規(あらい ひでき)
1960年生れ、明治大学講師。
[主な著書論文]
『覚醒する<関東>』(古代の東国 第三巻、吉川弘文館)、『古代神奈川の道と交通』(共著・藤沢市文書館)、「古代史料にみる海路と船」(鈴木靖民・川尻秋生・鐘江宏之編『日本古代の運河と水上交通』八木書店)、「相模国の若光伝承」(高橋一夫・須田勉編『古代高麗郡の建郡と東アジア』高志書院)、「渡来人(帰化人)の東国移配と高麗郡・新羅郡」(専修大学社会知性開発研究センター『古代東ユーラシア研究センター年報』創刊号)

ISBN:9784862152169
出版社:高志書院
判型:A5
ページ数:300ページ
定価:6000円(本体)
発行年月日:2021年03月
発売日:2021年03月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ