アテルイと東北古代史
編:熊谷 公男
紙版
内容紹介
アテルイ(阿弖流為)は、律令国家の東北侵攻に真っ向から闘い挑んだ古代蝦夷の族長で、小説・映画・シネマ歌舞伎の主役にもなるのだが、その歴史像は謎に包まれている。本書では古代東北史を牽引する文献・考古の第一人者がアテルイの歴史像をめぐって激論をかわし、彼の生き様と時代の真相をあますところなく解き明かす。
目次
序論 アテルイと東北古代史…………………………………熊谷公男(東北学院大学教授)
第Ⅰ部 座談会 アテルイの歴史像
熊谷公男・伊藤博幸(元岩手大学特任教授)・八木光則(蝦夷研究会)・
樋口知志(岩手大学教授)・鈴木拓也(近畿大学教授)
Ⅰ アテルイの育った世界
⑴アテルイの生年と没年/⑵アテルイ一族を考える/⑶蝦夷社会とアテルイの本拠地/⑷末期古墳と蝦夷社会の構造
Ⅱ アテルイの参戦と延暦八年の戦い
⑴東北三十八年戦争の始まり/⑵延暦八年の戦い/⑶蝦夷軍の内情/⑷戦いの真相をさぐる
Ⅲ 延暦十三年・二十年の戦いとアテルイの降伏
⑴延暦十三年の戦い/⑵大伴弟麻呂と坂上田村麻呂/⑶蝦夷社会の内実/⑷延暦二十年の戦い/⑸ アテルイの降伏
Ⅳ アテルイが残したもの
⑴胆沢城・志波城の造営と城柵再編/⑵胆沢城と志波城/⑶蝦夷と城柵運営/⑷アテルイの処刑地/⑸徳政相論と征夷の終焉/⑹アテルイの死の意味/⑺蝦夷・隼人と華夷思想/エピローグ
第Ⅱ部 考古学とアテルイの世界
胆沢城・志波城・徳丹城………………………………………西野 修(元矢巾町教委)
志波・和我の集落遺跡…………………………………………村田 淳(岩手県埋文センター)
胆沢周辺の集落遺跡と墳墓……………………………………髙橋千晶(奥州市教委)
アテルイ関係史料 『続日本紀』『類聚三代格』『日本紀略』