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日本語人の脳

理性・感性・情動、時間と大地の科学

著:角田 忠信

紙版

目次

●日本語(およびポリネシア語)を母語とする人は、言語(母音も子音も)も虫の音(言葉のように?)も、感情表現も、言語脳のある左半球優位に入る。●欧米語人は、自然母音や虫の音は右脳に入る(虫の音は雑音?)。子音と結びついた母音だけが左半球の言語脳で受けとめられる。●日本語人(およびポリネシア語人)に特有の脳受容の働きを発見し、大きな注目を浴びた角田理論。毀誉褒貶の波に襲われながら、半世紀を超える探究はつづいた。「日本人の精神構造母音説」とその後の達成を伝える。
●『正・続日本人の脳』に続く、齢90歳になる著者の、人の大地性と言語感性の根底に迫る労作。
●その基礎的追試研究が、この2月、国際専門誌に掲載され、いま、改めて、著者の研究がもたらす問題群の大いさが注目される。

●主な目次
序にかえて―私の研究の歩み
本書を読むにあたって
第一部 日本語人の特質―左右脳の非対称性と脳幹スイッチ機構
1.脳の感覚情報処理機構からみた日本人の特徴と今後の脳研究の方向
2.人の脳の非対称性と脳幹スイッチ機構の意義
3.ツノダテスト、新法の開発⑴―打叩する位置によるツノダテストの検討
4. ツノダテスト、新法の開発⑵―脳の機能差をめぐる最近の動向と脳の加温法について
5.左右脳と和洋音楽
第二部 日本語人と脳の情動性
1.ヒトの嗅覚系、情動脳、自律系の非対称性について
2.性機能の脳のラテラリティー
3.脳で行われる自他母音の自動識別について
4.自他識別機構の研究―「母の声」、「母の視線」の優位性
5.脳センサーから見出された新しいシステム
6.脳センサーの反応から推測される時代の変革
7.人脳センサーによる地殻歪みの評価と予期せぬ知見
8.人の脳の非対称性と脳幹センサーの意義―四〇・六〇系、十八日系
第三部 人の脳にある生物学的時間単位と脳センサー
1.人の脳にある正確な一・〇〇〇〇秒の時間単位
2.人脳に見出された生物学的基本時間単位一秒の意義
第四部 対話と反論
1.脳の中の小宇宙―驚くべき脳センサーの話(対話者 峰島旭雄氏)
2.不思議な日本人の脳と日本語の力―われわれの美意識はどこから生まれたか(対話者 林秀彦氏)
3.『日本人の脳』への誤解をとく―P・デール氏への反論
おわりに
【最新報告】Acta Oto-Laryngologica掲載論文の要約(角田晃一氏ほか)
角田忠信著作目録

著者略歴

著:角田 忠信
1926年、東京府中野区生まれ。1949年、東京歯科医専卒(東京医科歯科大学の前身、耳鼻咽喉科)。1951年に同大学助手、1957年に講師、同年に「鐙骨固着度の検出法」で東京医科歯科大学にて医学博士。1958~70年、国立聴力言語障害センター職能課長。1983年、東京医科歯科大学難治疾患研究所教授。1986年、『脳の発見』で日本文学大賞(学芸部門)受賞。1990年、東京医科歯科大学名誉教授

ISBN:9784862090591
出版社:言叢社
判型:4-6
ページ数:333ページ
価格:2400円(本体)
発行年月日:2016年04月
発売日:2016年04月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:CFH
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:2GJ