資源保全の環境人類学
インドネシア山村の野生動物利用・管理の民族誌
著:笹岡 正俊
内容紹介
インドネシア東部セラム島の山村における長期のフィールドワークを通じて明らかになった
野生動物利用の意味や重要性、その保全に果たす 地域住民の役割。
それは人びとの暮らしを尊重した、住民主体の生物多様性の保全と
資源管理のあり方に大きな示唆を与える。
目次
序 章 研究の課題と方法
一 問題の所在と研究の視座
二 研究の方法と本書の構成
第1章 研究対象地の概観
一 マルク諸島の自然と社会
二 アマニオホ村の概況
第2章 狩猟獣のサブシステンス利用―肉の分配の社会文化的意味―
一 サゴ食民の食生活における狩猟資源の位置づけ
二 猟の実際
三 狩猟獣の分配
四 分配を支える社会文化的しくみ
五 生を充実させる営為としての分配
第3章 オウムの商業利用―僻地山村における「救荒収入源」としての役割―
一 おもな交易用野生オウム
二 猟の方法
三 セラム島内陸山地部の村落経済の特徴
四 僻地山村経済におけるオウム猟の位置づけ
五 現金獲得手段としてのオウム猟に対する人びとの評価
第4章 在来農業を媒介とする人と野生動物との双方的なかかわり
―「農」が結ぶ「緩やかな共生関係」―
一 サゴ基盤型根栽農耕と森の親和性
二 半栽培が生み出す多様な生態環境
三 在来農業が結ぶ野生動物と人
第5章 在地の狩猟資源管理―超自然的強制メカニズムが支える森の利用秩序―
一 資源管理と超自然
二 祖霊と精霊が行き交う森
三 森林利用を制御する規範とその社会的・生態学的役割
四 森林利用秩序を支える超自然的強制メカニズム
五 資源管理にみる近年の変化
六 人と自然を媒介する超自然
終 章 住民主体型保全へ向けて
一 セラム島の自然保護に対する提言
二 住民主体型保全に求められる視点
三 民族誌的アプローチの重要性
あとがき
参考文献
索 引
ISBN:9784861870736
。出版社:コモンズ
。判型:A5
。ページ数:370ページ
。定価:4200円(本体)
。発行年月日:2012年06月
。発売日:2012年06月25日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC。