『日本の絵』とは、「日本」の自画像であり「私」の自画像でもある。
『日本の絵』は「私たち」の絵であり、「あなた」の絵でもある。
阪神淡路大震災、東日本大震災。2度の震災の体験は、三瀬夏之介(1973〜)の作品世界に大きな影響を及ぼしました。震災以降、「絵を描く」という行為を問い続けてきた画家による、今を生きる人に向けた『日本の絵』とは。
新作6点に加え、生涯をかけて描き続ける、現時点で幅45メートルを超える大作《奇景》を含む全19作品と、寄稿、対談、著者による作品の見どころ解説を掲載。歓びと恐怖、世界と自分、歴史と今、大きなものと小さなもの。まったく対極のメッセ—ジが入り混じり、“豊潤な混沌”(高階秀爾「創造する魂の軌跡」『冬の夏』羽鳥書店より)に満ちた三瀬作品を読み解く、著者2冊目の作品集です。
寄稿:椹木野衣(美術評論家)、赤坂憲雄(民俗学者、福島県立博物館館長)
対談:三瀬夏之介×草薙奈津子(平塚市美術館館長)