「よりどころ」の形成史
アルゼンチンの沖縄移民社会と在亜沖縄県人連合会の設立
著:月野楓子
紙版
内容紹介
つながらなくてもいいのではないか。あるいはつながっていなくても、何かを、どこかを、誰かを、想ったり、頼ったりする、つまり何らかの「よりどころ」があれば、人はなんとか「生きる」を続けられるのではないか。
故郷沖縄での苦しい生活を脱するため20世紀前半に多くの人々がアルゼンチンへ雄飛したが、そこでの暮らしは必ずしも思い描いていた通りのものではなかった。貧困や差別のある厳しい生活の中で培われたアイデンティティや連帯の強さは、しかし、「沖縄」「同郷」というだけで説明できるような、わかりやすいものなのだろうか。
戦後に在亜沖縄県人連合会が結成された経緯と意義を、そして戦争や帰属問題に揺れる遠くの故郷をどのように移民の人々が見ていたのかを、「エスニシティ」や「ナショナリズム」に還元できないものに目を向けながら描きだす。
目次
はじめに
序章
第一章 アルゼンチンにおける沖縄移民社会の形成
第二章 沖縄移民の団体・仕事・生活
第三章 第二次世界大戦時の在亜邦人社会と沖縄移民
第四章 在亜邦人社会の戦後―アルゼンチン政府要人への接近と移民の再開
第五章 救済活動による戦後組織の展開
第六章 沖縄文化の抑圧とアルゼンチンにおける沖縄文化
第七章 「在亜沖縄県人連合会」の設立
終章
ISBN:9784861108303
。出版社:春風社
。判型:A5
。ページ数:356ページ
。定価:4300円(本体)
。発行年月日:2022年11月
。発売日:2022年11月10日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KC。