「伝統」が制度化されるとき
日本占領期ジャワにおける隣組
著:小林和夫
紙版
内容紹介
日本占領下のジャワにおいて日本の隣組制度が導入・推進され、独立後にもそれは新たな形態で繰り返し展開された。本書はこの歴史を、ゴトン・ロヨンというジャワの「伝統」慣習が制度化され、住民たちが相互扶助を重んじる「伝統」の実践者へと自らなっていった過程としてあとづける。
目次
序
第一章 「伝統」との邂逅―旧慣制度調査委員会
第二章 「伝統」の端緒―ロンダ(夜警)制度の警防団への編入
第三章 「伝統」の萌芽―隣組制度の段階的導入
第四章 「伝統」の展開―隣組制度のジャワ全土への導入
第五章 「伝統」の弁証法―隣組の機能「権力の機制」と「住民の互酬」
第六章 「伝統」の鼓吹―隣組制度の推進政策
第七章 「伝統」の視聴―隣組制度の宣伝政策
第八章 「伝統」の貫徹―隣組とジャワ奉公会
第九章 「伝統」の再発見―スカルノによる「伝統」の概念化・鼓吹とジャワ軍政
終章 「伝統の制度化」の今日的文脈
謝辞
参考文献
資料
年表
索引