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言語景観から考える日本の言語環境

方言・多言語・日本語教育

著:ダニエル・ロング
著:斎藤敬太

紙版

内容紹介

全国各地で言語景観(看板・商品等にみられる文字)を収集し、その敬語、方言、複言語の様相から現在の日本の言語環境を鳥瞰する。

目次

はじめに

第Ⅰ部 無敬語地帯・敬語地帯における言語景観

第1章 震災後の方言景観にみる福島県会津方言の変容
第2章 福島市の依頼・命令表現にみられる待遇表現
第3章 福島県中通り・浜通りの勧誘・推量表現にみられる待遇表現
第4章 近畿圏の待遇表現における方言敬語と方言丁寧語
第5章 外国人集住地域の多言語表示にみられる待遇表現
コラム1  気づかない方言(疑似標準語)

第Ⅱ部 複言語使用地域における言語景観

第6章 ブラジル人集住地域の言語景観に採用される言語に関する定量的研究
第7章 豊田市でくらす在日南米人の複言語環境
第8章 外国人集住地域の言語環境に表れる観光戦略
第9章 異国情緒を演出する言語景観
第10章 非母語話者からみた看板の語用論的むずかしさ
第11章 世界の少数言語とアイデンティティ
コラム2  文法事項の気づかない方言(疑似標準語)

第Ⅲ部 方言主流社会における言語景観

第12章 東北地方の言語環境としての方言景観
第13章 北海道の文化的観光資源としての言語景観
第14章 奄美方言の言語景観
第15章 南大東島ことばにみられる言語接触の分析要因
コラム3  注意を引く時代ことば

第Ⅳ部 教室における言語景観

第16章 教員が興味を持たせたい言語景観
第17章 語学授業に興味を持ってもらうツールとしての言語景観
第18章 言語学的課題の分類と言語景観
第19章 アクティブラーニングと教材化
コラム4  東京都にもみられる「観光資源」としての方言使用
コラム5  各地にみられる方言による歓迎ことば

あとがき
初出/参考文献一覧
索引

著者略歴

著:ダニエル・ロング
ダニエル・ロング(Daniel Long)
東京都立大学人文科学研究科教授。
1963年米国・テネシー州生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。
主な業績に、『アジア・太平洋における日本語の過去と現在』 (共編著、ひつじ書房、2021)、『パラオにおける日本語の諸相』(共著、ひつじ書房、2019)、『小笠原諸島の混合言語の歴史と構造―日本元来の多文化共生社会で起きた言語接触』(ひつじ書房、2018)、『マリアナ諸島に残存する日本語―その中間言語的特徴』(共著、明治書院、2012)、『日本語からたどる文化』(共著、放送大学教育振興会、2011)、English on the Bonin (Ogasawara)Islands (Duke University Press, 2007)など。
著:斎藤敬太
斎藤敬太(さいとう・けいた)
津田塾大学学芸学部非常勤講師。
1990年生まれの会津系埼玉人2世。首都大学東京(現・東京都立大学)大学院人文科学研究科人間科学専攻日本語教育学教室博士後期課程修了。博士(日本語教育学)。
主な業績に、『都市空間を編む言語景観』(共著、中文出版社(韓国)、2019)、「ブラジル人集住時域のリンガフランカ―群馬県大泉町と三重県伊賀市の比較」(『日本語研究』35、首都大学東京・東京都立大学日本語・日本語教育研究会、2015)、「東北地方の外国人住民を対象とした方言理解支援ツールにおける翻訳上の問題点―東北諸方言とポルトガル語の対照研究」(Estudos Japoneses. n.39, Centro de Estudos Japoneses da Universidade de São Paulo, 2018)など。

ISBN:9784861107931
出版社:春風社
判型:A5
ページ数:400ページ
定価:4500円(本体)
発行年月日:2022年03月
発売日:2022年03月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VSL
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:DS